【倉庫選びのポイントとは?】費用を抑える方法や探し方のコツをご紹介
「開業・事業拡大」倉庫を借りたい!費用や方法・選びかたをご紹介
開業や事業拡大にともなって、扱う商品などを保管するスペースが必要になった。
こんなとき賃貸の倉庫を借りるのはひとつの手です。
倉庫を借りるにはどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。
また、どのように選べばよいのでしょうか。
詳しく解説していきます。
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
倉庫を借りる費用と安く済ませるコツ
まずは倉庫を借りる費用面について見ていきましょう。
地域差はありますが、賃貸の倉庫の賃料は1坪あたり4,000円~7,000円がおおよその相場となっています。
倉庫を新たに借りるとなると
・礼金(賃料1~2ヶ月分)
・敷金・保証金(賃料約3~6ヶ月分)
・前家賃(賃料1ヶ月分)
・仲介手数料(賃料1ヶ月分)
・その他管理費や事務手数料
などが初期費用としてかかります。
また、倉庫を利用していくには賃料を月々支払うほか、水道光熱費やセキュリティ費用、それから数年おきの契約更新料が運営費用としてかかってきます。
倉庫の賃料は、売上の8%以下に抑えるとよいとされています。
以下、倉庫をできるだけ安く借りるコツをご紹介します。
①事務所と倉庫を兼用する
事務所と倉庫を別で借りるとなると、賃料などの費用をそれぞれで支払わなければなりません。
ですが事務所兼倉庫という形で物件を借りることができれば、費用は1か所ぶんで済みます。
節約になるだけでなく、事務所と倉庫を行き来しやすく在庫管理がしやすいなどのメリットもあり、おすすめです。
②ちょうどよい広さを見極める
倉庫にかかる費用を抑えるには、業務に対して広すぎない「ちょうどよい広さ」の物件を借りることが重要です。
「後々のことを考えると広いほうがいい」と考えるのは自然ですが、広い倉庫はそれだけ賃料が高くなるもの。
業務に対して広すぎる倉庫を借りると、スペースをもてあまし、余計な賃料を月々支払うことになります。
倉庫は数年単位の長期契約で借りる場合が多いため、やっぱり広すぎたと思っても簡単に借り換えることができません。
とはいえ、あまりにスペースに余裕がないと、それはそれで作業に支障が出てしまいます。
梱包・配送などの物流作業を倉庫で行うならば特に、ある程度の広さの余裕は必要です。
また、今後の事業拡大がある程度具体的に見込めるのであれば、あらかじめ広めの物件を借りておいたほうが余分な借り換え費用を節約できるという考えかたもあります。
不動産会社に相談するなどしつつ、業務に対してどのぐらいの倉庫の広さが適切か、しっかりと見極めましょう。
③必要な設備を絞りこんでおく
基本的に、倉庫の設備が整っていればいるほど賃料は高くなります。
空調・エレベーター・オートロックなど、どんな設備が業務に必要であるかを絞りこんで、不要な設備のついていない倉庫を借りることで賃料を安く済ませることが可能です。
たとえば湿度や温度で劣化する心配のないものを保管するだけの用途であれば、空調設備はなくても大丈夫でしょう。
倉庫をどのように活用するのか、借りる前にきちんと決めておくことが肝心です。
④郊外の倉庫を借りる
倉庫の賃料相場は、都心部よりも郊外のほうが安い傾向にあります。
安い倉庫を借りたいのであれば、郊外で探すのも有効な方法です。
面積が広い倉庫が見つかりやすいメリットもあります。
とはいえ、倉庫が自社から離れすぎていると、移動に時間も手間もかかります。
それはそれで損失なので、安いからといってあまりに遠い場所に倉庫を借りるのは避けたほうがよいでしょう。
倉庫はどうやって探す?どうやって借りる?
今度は、倉庫を借りるために必要になるプロセスを見ていきましょう。
①倉庫を探す
はじめに借りたい倉庫を探すところからのスタートです。
倉庫の探しかたとしては
・不動産会社に問い合わせる
・不動産ポータルサイトで探す
・同業者から紹介を受ける
・倉庫のオーナーに直接連絡する
以上のようなパターンがあります。
これらの方法を用いながら、複数の物件情報を探しだして入念に比較検討しましょう。
②物件を見学する
気になる物件を見つけたら、必ず見学をしましょう。
チェックするべきポイントは「周辺環境」と「倉庫の状態」です。
周辺環境については、たとえば、騒音が出やすかったり深夜まで作業をしたりトラックの出入りが頻繁にあるような業種であれば、周囲に住宅がある場所の倉庫を借りるのは避けたほうがよいでしょう。
加えて、近隣の道路の幅がトラックの通行に十分であるかなど、道路状況もチェックしておきましょう。
倉庫の状態については、サビの発生や基礎のヒビなど不具合の有無、アスベストのような健康被害が懸念される建材を使用していないかなどを確認します。
壁・天井・床・柱・基礎など、入念にチェックしてください。
修繕が必要な箇所が見つかったら、物件のオーナーに依頼しましょう。
あわせて、賃料や契約の更新期間・電気の容量・使用方法の範囲・残置物(エアコンなど)の扱いについて、オーナーに確認しておきましょう。
残置物の扱いというのは、たとえば残置物のエアコンが壊れてしまったら借主と貸主どちらが修理するのかなどの確認です。
契約の条件面について交渉をしたい部分があれば、この段階で行いましょう。
また、倉庫が建つ「用途地域」の確認も重要です。
用途地域というのは、土地や地域ごとに建てられる建築物の種類や用途を定めたルールのこと。
用途地域によっては倉庫に保管できる物品や倉庫の使用方法が制限されてしまうので、ご自身の望む倉庫の使いかたと照らし合わせて問題ないかは必ずチェックしておきましょう。
③申し込む
物件をチェックして問題がなければ申し込みをします。
申込みに際しては、主に以下のような書類が必要です。
・申込書
・身分証明書
・会社の概要がわかるパンフレットなど
・会社の決算書
・会社の登記簿謄本のコピー
申し込みが済めば、貸主や保証会社によって審査が行われます。
審査に通過すれば、いよいよ契約です。
④契約する
契約については、書類に記入して押印をすれば完了です。
その際、以下のような書類が必要になります。
・会社の実印
・会社の印鑑証明書
・会社の登記簿謄本(原本)
登記簿謄本と印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものを用意しましょう。
⑤入居する
契約が完了したら、入居へ向けて以下のような手続きを済ませましょう。
・上下水道の名義変更手続き
・電気・ガスの名義変更手続き
・電話・インターネット回線の開通手続き
もし、倉庫に何らかの手を加える造作工事をするのであれば、事前に必ず貸主の許可を取ってください。
賃貸の倉庫は退去時に原状回復が必要です。
勝手に工事を行えば、退去時のトラブルに発展する恐れがあります。
一連の手続きが終われば倉庫に入居し、利用開始できます。
倉庫選びで失敗しないためのポイント
倉庫を探しで失敗しないためには、いくつかの「おさえておくべきポイント」が存在します。
そのポイントについてご紹介しましょう。
①立地と賃料のバランス
一般的に良い立地の物件ほど賃料は高額になります。
賃料が高くなっても立地の良さを優先させるのか、立地はある程度目をつぶって賃料の安さを優先させるのか。
立地と賃料のバランスをどのように取っていくかを考えるのは重要なポイントです。
立地の良さを優先させるのであれば、必然的に競合の多いエリアの物件を狙うことになります。
「悩んでいる間に他の借り手がついてしまった」ということがないように、迅速に問い合わせをしましょう。
②駐車場の広さ
物品の搬入・搬出や従業員の車通勤などのために、駐車場は必要です。
倉庫の駐車場が業種や業務の規模に見合った広さであるかどうかは、物件選びの際に必ず見極めておきましょう。
倉庫の広さは適切でも、駐車場が狭ければ業務において苦労することになります。
駐車場が狭いもしくは無い場合、別途駐車場のみ借りる手もありますが、利便性を考えると倉庫に付いているに越したことはありません。
③物流への対応
入庫・検品・流通加工・ピッキング・仕分け・梱包・出庫。
こうした物流に関する一連の作業が可能な倉庫かどうかの見極めも大事なポイントです。
たとえば入庫の際に倉庫の出入り口の幅や高さが不十分でないか、図面だけでなく実際に計測して確認しておいたほうがよいでしょう。
入出荷件数が多い場合、在庫を積んでおくことができる天井の高さがあるかどうかも見ておかなくてはなりません。
必ずしも広い倉庫であればこうした点は問題ないというわけではありませんので、事業内容・規模に応じたつくりをしているか、きちんとチェックしておきましょう。
④倉庫の種類
ひとくちに倉庫といっても、大きく分けて「営業倉庫」「自家用倉庫」の2種類が存在します。
営業倉庫には自社の物品だけでなく第三者の物品も保管することができます。
いっぽう、自家用倉庫には自社の物品しか保管しておくことができません。
もし自家用倉庫に第三者の物品を保管すれば、罰金が発生します。
第三者の荷物を扱う事業にもかかわらず自家用倉庫を契約してしまったということのないよう、倉庫を探す際に忘れず確認をしましょう。
まとめ~間違いのない倉庫選びを~
いかがでしたでしょうか。
今回は開業や事業拡大にともない倉庫を借りる際のポイントについて見ていきました。
倉庫は長期契約のため、一度借りてから「思っていたのと違った」と借り換えるのは簡単ではありません。
倉庫を探す際に間違いのないよう、今回ご紹介した選びかたなどを参考にしてみてください。
業務内容・規模と倉庫の規模・設備との照らし合わせは特に重要なポイントです。
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