【オフィス契約は更新できる?】中途解約の条件を契約別に解説
賃貸オフィスの更新と中途解約を分かりやすく解説

賃貸オフィスの契約には、契約期間が設けられています。
その期間が終わったあとも使い続けたいのか、あるいは期間の途中でも退去しなければならない事情が生じることもあるかもしれません。
それらの場合どうすればよいのでしょうか。
要点まとめ
オフィス契約は更新できる?
オフィス契約を更新できるかは契約形態によって異なり、中途解約については契約書の特別条項や解約条件を確認する必要があります。
①普通借家契約には更新の仕組みがあるため、契約期間や更新条件を確認
②定期借家契約は更新されず期間満了で終了し、継続には再契約が必要
③解約予告期間・違約金・特別条項を中途解約や移転を決める前に確認
上記の要点を含めて、詳しく解説していきます。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
普通借家契約は長く使い続けたいテナントに安心感ある選択肢

普通借家契約とは、期間が終了した後も「更新」をして契約を継続できる形の取り決めです。
テナント側が引き続き利用を希望した場合、オーナー側は「正当な理由」を示せない限り、その申し出を断ることができません。
そのため、貸主と借主、どちらかから解約の連絡がなければ、自動的に契約更新され続ける仕組みになっているケースも少なくありません。
法律上、契約期間に上限はありません。
数十年単位の設定も可能ですが、実態としては2~3年で設定されるパターンが多いようです。
一方で、1年を下回る期間を設定した場合は注意が必要です。
借地借家法という法律の規定によって、これは「期間の定めのない賃貸借契約」として扱われます。
その場合、貸主・借主どちらの側からも、いつでも解約を申し出られる状態になります。
ちなみに、更新のタイミングで家賃などの条件を変更したいと考えている場合、貸主・借主ともに申し出ることができ、合意が取れれば新しい条件のもとで契約が更新されます(いわゆる「合意更新」)。
仮に条件交渉がまとまらなかったとしても、テナントが賃料を支払い、オーナーがそれを受け取り続けている状況であれば、契約は自然に終了することはありません。
長くオフィスを使い続けたい、あるいは使う期間がとくに決まっていないテナントにとって、普通借家契約は安心感ある選択肢と言えるでしょう。
定期借家契約は更新なし・原則として中途解約もなし

定期借家契約は、あらかじめ決められた期間が終了した時点で契約が完結する形の取り決めです。
その名のとおり「定期」で終わる性質を持ち、普通借家契約のような「更新」の制度はありません。
契約期間に上限・下限のルールはないため、自由に設定できますが、期間の満了と同時に契約関係は終了します。
ただし、同じ物件にそのまま居続けたい場合、貸主と借主が話し合いの末に合意できれば「再契約」という形で新たに契約を結ぶことは可能です。
その際、再契約料などの追加費用を求められる場合もあるため、あらかじめ確認しておく必要があります。
定期借家契約は、期間の途中で退去したくなったとしても、基本的には中途解約が認められていません。
契約が満了するまでは賃料を支払い続ける義務が続きます。
さらに、満了後に再契約が認められなければその時点で退去しなければならないため、テナント側にとっては少し縛りの多い契約といえるでしょう。
こうした特性から、定期借家契約を締結する際には、更新がない旨を記した書面を貸主が別途作成・交付する決まりになっています。
この書類は契約書とは別物です。
書面の交付や説明が不十分であった場合、法的に問題となることもあるため、テナント側も書類の内容をきちんと確認しておくことが大切です。
途中で解約したい・求められた場合の注意点は

事業環境の変化や移転の計画などで、契約期間の途中に解約が必要になることもあります。
その際に確認しておきたいのが、契約形態ごとの違いと、契約書に盛り込まれた「特別条項」の内容です。
契約形態や状況別に注意点を見ていきましょう。
普通借家契約の場合
テナント側からの中途解約は、原則としていつでも申し入れ可能です。
ただし、実際の契約書には特別条項として制限が加えられているケースが多く見られます。
よくあるのは「退去希望日の○ヶ月前までに通知する」という予告期間の設定です。
また、中途解約に際して違約金の支払いが発生するようになっている場合もあります。
こうした制限は、どんなタイミングでもすぐ中途解約できてしまうと、オーナー側の経営にとってきわめて不利であることから設けられています。
テナント側としても、契約を結ぶ前にこうした条項をしっかり読み込んでおくことが重要です。
定期借家契約の場合
こちらは原則として中途解約が認められておらず、万が一途中で解約を行った場合も、違約金が発生するのが一般的です。
ですが、特別条項として中途解約を認める旨の記載があれば、その条件の範囲で解約が可能です。
契約の残り期間がわずかであれば違約金なしで解約できるような条件を、契約前の交渉で入れてもらえる可能性もあります。
内容次第では交渉の余地があることも覚えておきましょう。
貸主側から解約を求められた場合
普通借家契約・定期借家契約のいずれであっても、オーナー側のほうから一方的に解約を通知するためには「正当な事由」が必要です。
代表的なのは、テナントによる禁止事項の違反や、長期間にわたる賃料の不払いといったケースです。
また、通知から実際の退去までに一定の猶予を設けることも義務とされているため、翌日中に明け渡しを迫られるような事態は基本的にありません。
とはいえ、貸主としてはそもそも契約内容をしっかりと守り、こうした通知を受けない状況を保つことが最善です。
まとめ~契約のタイプと特別条項をしっかり確認~

いかがでしたでしょうか。
今回は賃貸オフィスに関して、契約形態ごとの更新や中途契約について見ていきました。
賃貸オフィスの契約は「普通借家契約」か「定期借家契約」かによって、更新・解約のルールが根本から異なります。
そこに特別条項が加わると、さらに条件は細かく変わってきます。
一見ややこしく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえてしまえば難しい話ではありません。
「自分が結ぼうとしている契約はどちらのタイプか」「特別条項にはどんな条件があるか」——
この2点さえしっかり確認しておけば、いざというときも焦らず対応できるはずです。
契約書をきちんと読み込んでおくことは、安心してオフィスを使い続けるための、いちばんシンプルな備えといえるでしょう。
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