【テナント契約の固定費とは?】賃料以外にかかる費用と削減ポイント
テナント契約で賃料以外にかかる固定費はどんなもの?安くするには?詳しく解説!

売り上げなどに左右されず決まってかかる費用を「固定費」と呼びますが、店舗や事務所のためのテナントを契約する際、賃料だけを見て物件を決めると賃料以外の固定費が思ったよりも高く経営を圧迫し、後々悔やむことになりかねません。
この記事では、テナント契約をすると賃料以外にかかる固定費にはどんなものがあるのか、これらの固定費を安くするにはどうすればいいのか等について、詳しく解説します。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で10年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
テナント契約時に賃料以外にかかる主な固定費は?固定費を減らすためにできることは?

この章では、テナント契約時に賃料以外にかかる固定費の代表例と、それぞれを減らすためのアイデアをご紹介します。
共益費・管理費
不動産公正取引協議会連合会が定める「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」では、共益費と管理は以下のように定義されています。
共益費:借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。
管理費:マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。
この定義では管理費の方がやや広い範囲を指しているものの、一般的にはこの二つの言葉はほぼ同じ意味として使われています。
これらの費用の具体的な使途は、「エレベーターの保守費用や電気代」「共用部の清掃代」「共用部の花壇の手入れ費用」など、様々です。
一般的には、テナントの利用面積に応じて支払額が決まり、月々賃料の5~10%程度の金額に設定されています。
「共益費なし」という物件もありますが、それだけでお得だと判断するのは危険です。
そのような物件は、共益費に相当する額をあらかじめ含めた額を賃料として設定している場合が多いからです。
敷金・礼金などは「賃料の○か月分」と設定されていることも多いため、共益費相当分含めた賃料が設定されていると、賃料と共益費が別々に設定されているケースよりも初期費用が高くなる可能性があります。
保険料
テナント契約の際、特に火災保険については加入が義務付けられているケースも少なくありません。
保険料の相場は業種や物件の広さなどによって異なりますが、年間1~5万円程度です。
保険料については、月々の固定費を下げることのみに注力するのは得策ではありません。
備えが少ないと、いざという時に多額の出費が発生してしまう可能性もあるからです。
火災保険では地震(地震が原因の火災含む)や盗難などによって生じた損害はカバーされない場合も多いため、補償範囲を事前によく確認しておき、必要に応じて任意加入の保険を追加で契約すると良いでしょう。
保証会社利用料
万が一、テナントの借主が賃料等を滞納してしまった場合に、テナントの貸主にその料金を立て替えて支払ってくれるのが保証会社です。
テナントの貸主のリスクを減らすため、保証会社の利用を必須としている物件も珍しくありません。
毎月の出費ではありませんが、初回に賃料の50~100%程度の保証料を払った後は一般的には1~2年ごとに1~2万円程度の更新料が請求されるため、固定費に含めて想定しておく必要があるでしょう。
毎月利用料を支払うよう取り決めている保証会社などもあるので、契約前に金額や支払いタイミングなどをよく確認しておきましょう。
ごみ処理費
飲食店などの事業所から出たごみは、家庭ごみと同じ場所に捨てることができません。
家庭ごみ用のごみ集積所に事業用のごみを出すと、法律違反になってしまいます。
商業施設内のテナントなどはごみの出し方や料金がすでに決まっていることも多いですが、そうではない場合は自分で処理施設までごみを持ち込むか、回収業者に処理を依頼する必要があります。
業者に定期回収を依頼する場合は毎月の固定費となりますが、出るごみの量に対して適切な回収頻度のプランを選ぶ等無駄をなくすように心がけることで、不要な出費を減らすことができます。
駐車料
物件に駐車場が付設している場合、その使用料も毎月支払う固定費となります。
オフィスのためのテナントを探していて社用車を頻繁に利用する場合などは、外部の駐車場を別途契約するよりも一般的には駐車料を安く抑えることができるため、固定費の節約につながります。
近隣の月極駐車場の利用料を確認しておくと、どの程度割安か判断しやすくなるでしょう。
ただし、駐車料が賃料にあらかじめ含まれている物件の場合は、もし契約途中で駐車場を使用しなくなったとしても、その料金を支払い続けなければいけません。
その旨を伝えることで駐車料を引いてくれる賃貸オーナーもいますが、義務ではないため確実に配慮してもらえるとは限りません。
駐車場の利用頻度があまり高くないと見込まれる場合は、駐車料が賃料に含まれていない物件を借りた方が良いでしょう。
看板使用料
ビルの中のテナントを契約した際などは、建物の側面に出される主に縦長の「袖看板(※)」や、エントランス近くに貼られ各フロアのテナントを表示する「集合看板」など、共用部分に看板を出すための費用の支払いが求められるケースもあります。
(※)小型のものや正方形・丸型などのものについては「突出し看板」と呼ぶこともあります。
看板の製作料は基本的に出店時のみ必要となる費用ですが、看板使用量は毎月固定された出費となるため、事前に把握しておく必要があります。
相場は、月額5000円~2万円程度です。
商店街費
商店街の中にあるテナントの場合は、しばしば「商店街費」が設定されています。
これ以外にも、アーケードの維持費などを支払う必要がある場合もあります。
商店街へ出店することで地域密着型の店づくりができますが、その分会合に参加する等商店街内の人間関係を維持する努力や、イベント協力のために時間をかける必要が生じます。
こうしたスタイルに心地よさを感じられるかどうか、メリットの方がデメリットよりも上回ると感じられるかどうかを、出店前によく検討する必要があるでしょう。
【テナント契約の固定費とは?】まとめ

この記事では、テナント契約をすると賃料以外にかかる固定費にはどんなものがあるのか、これらの固定費を安くするにはどうすればいいのか等について、解説しました。
・共益費・管理費の相場は賃料の5~10%程度の金額だが、相当額を含めた賃料設定になっている場合もあるので注意
・保険料はむやみに削らず、必要に応じて義務付けられている分に上乗せした契約を
・保証会社利用料の支払いタイミングや金額は会社によって異なるので、契約前によく確認しておく
・ごみの定期回収を業者に依頼する場合は、出るごみの量に合わせて適切なプランを選ぶことで固定費の無駄を減らすことができる
・建物に駐車場が付設している物件の場合、駐車場の利用頻度によっては固定費の節約につながる場合もある<>
・ビルテナントでは、看板使用料が毎月の固定費となる場合もある
・商店街費が必要となるテナントは、地域密着型の店づくりが自分に合っているかどうかを検討した上で契約に進むと後悔しにくい
安定して経営を続けていくためには、不必要な固定費をなるべく支払わないようにすることが大切なポイントです。
賃料以外もしっかり確認し、妥当な金額だと納得できた場合に契約に進むようにしましょう。
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