【賃貸テナントの選び方】新しく出店する際に気を付けること!
新しくお店を出店するならどんなところを気を付けて選べば良いの?
飲食店や販売店など、新しくお店を出店しようと考えたら、最初にテナント募集中の物件を探すと思います。
しかし、どういった条件でなにに気を付けて探せば良いのか、難しいですよね?
そこで、テナント探しで気を付けるポイントをまとめてみました。
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で10年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
店舗用物件には大きく分けて2種類ある?
店舗を経営する際、その店舗の命運を分けると言っても過言ではないのが、その店舗の『立地』です。
駅から近いのか、人通りが多いのか、様々なことを調べてより良い立地で開業したいというのは皆が考えることです。
そして、立地が良い場所でも大きく差が出るポイントが、物件の種類です。
ひとつは「路面店」、もうひとつは「空中店舗(もしくは階上店舗)」です。
「路面店」とは道路に面している店舗で、道路から店舗の様子や内部の様子が見えるような1階にある店舗の事です。
「空中店舗」とは2階より上の階にある、もしくは地下にある店舗で、道路からは店舗の様子などがわかりにくい店舗の事です。
それぞれ店舗の位置によって営業する業態の得手不得手があるため、どのような店を開業するかで大きな差が生じます。
「路面店」最大のメリットは、集客力の高さです。
店を開業するための工事など準備段階から人目に付くため、人通りが多い場所ではそれだけで集客効果が見込めます。
視線の高さにお店があるだけで視認されるため、主に飲食店や販売店など、ターゲット層が広い業態には路面店が適しています。
コンビニエンスストアや大手のチェーン店など、路面店での開業が必須条件としている店も少なくありません。
ただし、路面店は賃料が空中店舗などと比べると高額になる傾向があります。
「空中店舗」は路面店と比較して集客力が低く、特に階層が高くなるにつれて入店のハードルが高くなるため、一見さんの来店を期待することが難しくなります。
しかし、美容院やクリニックのように予約制で営業する業態、学習塾やカルチャーセンターのような入会制の業態であれば、さほど影響を受けることはありません。
高層建築の多い都市部や駅付近では空中店舗も多くなり、客側も慣れてくると入店のハードルは低くなりますが、路面店と比べると宣伝活動をしっかりと行う必要があるでしょう。
また、空中店舗は路面店よりも賃料が安い傾向があるため、その費用を宣伝費用などに置き換えることができます。
店舗用物件を借りる際のチェックポイントは?
店舗用物件は、一般的な居住用の物件とは異なる部分が多々あります。
チェックしておかなければならないポイントは4つです。
1つ目は、飲食店の可不可です。
店舗用物件の中には、飲食店経営が許可されていないテナントがあります。
様々な理由はありますが、給排水やガスなど厨房の設備が導入できない場合や、換気や消火設備など消防法の問題で飲食店にできないテナントもあります。
また、飲食は本格的な調理を伴う「重飲食」と、飲み物をメインに火などを使わないカフェやバーのような「軽飲食」に分かれ、「軽飲食可」といった条件付きの物件もあります。
いずれの場合も、開業したい業態とテナントの条件が合わなければ営業ができないため、事前にしっかりと確認をしておく必要があります。
2つ目は契約に関する初期費用です。
一般的な居住用物件よりも、敷金や礼金、保証金といった契約時に発生する初期費用は高めに設定されていることが多くあります。
地域性などもありますが、家賃を含めて家賃半年~1年分相当の初期費用が掛かることもあります。
仮に家賃が10万円であれば120万円ほどの初期費用が掛かること珍しくないため、それだけの資金を事前に準備しておく必要があります。
3つ目も初期費用に関わる内容ですが、店舗の内外装の状況です。
一般的にテナントは「スケルトン渡し」と呼ばれる内装などを全て解体した状態でやり取りされますが、店舗用の物件の場合は「居抜き」と呼ばれる内装や設備などを残したままで貸し出される物件もあります。
以前に営業されていた業態が近く、飲食店から飲食店、美容室から美容室といった同じ業態を引き継ぐ場合には、そのまま使うことができる設備が残されていると内装工事費や設備への投資が少なくて済みます。
また、内外装の工事を行っている期間も家賃は発生するため、工事期間の短縮は無駄なコストをカットできるとも言えるでしょう。
逆に、なにもないスケルトン状態であれば、思い描いたとおりの内装に仕上げることもできます。
その分費用は発生しますが、こだわりの店舗に仕上げたいと考えている場合には、居抜よりもスケルトンの状態のテナントを探す方が良いでしょう。
4つ目は、最重要となる立地です。
例えば「駅徒歩1分」という点だけ見れがとても良い条件にも見えますが、細い路地を入った先に入り口がある場合には気づいてもらいにくい立地かもしれません。
逆に駅から多少遠くても、駅と観光地の中間点に位置するような多くの人通りが期待できる立地は、集客力が高い好立地とも言えます。
駅に近いとそれだけ賃料が高くなる傾向は居住用物件と同様であるため、思い描く店舗の集客力とランニングコストとの兼ね合いで選ぶ必要があります。
他にも、賃料が安いからと郊外に店舗を構えるのであれば、駐車場の有無なども非常に重要なポイントです。
駐車場が無いことが来店のハードルになるケースは多くあるため、店舗の規模に応じた広さの駐車場も確保する必要があるでしょう。
また、ターゲット層の集客が見込めるかどうかもきっちりと見定める必要があります。
ビジネス街と繁華街などの平日と休日で人の動きが真逆になるような地域もあれば、住宅地が近いとファミリー層の来店が見込みやすいといった、客層や客のニーズも周辺環境で大きく異なります。
店を構えるなら事前の調査を入念にしておくのがベスト!
一般的にテナントの賃料は、駅近、大通り沿いといった条件で高くなります。
それだけ人通りが多く、集客効果が高いと考えられるからです。
しかし、ターゲットを絞ると業態によってはその集客効果よりも、実際の人の動きを重要視する必要があることが分かります。
店を開業するにあたって、主なターゲット層は予め決めているはずですが、ターゲット層の人がそのテナント付近を往来しているのかなどは実際に確認しなければ分かりません。
一例として、子供服の専門店を開業する計画を立てた場合、ターゲットは子供の居るファミリー層になるでしょう。
しかし、一般的に好立地と言われる駅近で大通り沿いにテナント募集があったとして、果たしてその前を通過する人々がターゲット層として適切なのか?という点を確認する必要があるのです。
平日、休日、昼間、夜間、曜日や時間帯を変えて人通りの様子を下見しておくと、本当に適した立地なのかが確認できます。
結果として、子供連れのファミリー層が多く見られたのであれば勝機はありますし、そうでなければもっと適した立地があるかもしれません。
このように、立地を決める際には慎重な判断が求められるでしょう。
まとめ~テナント契約には十分な準備と調査を行いましょう~
先に述べたように、テナント契約は一般的な居住用物件の契約とは大きく異なります。
初期投資の負担が大きいのはもちろん、継続的に運営をするためには立地や周辺環境の調査は怠れません。
初めてのテナント契約であれば特に、勢いで決めたりせずに十分な準備と調査を行うことを忘れないようにしましょう。
店舗だけでなく、事務所をお探しの方も是非一度お気軽にご相談下さい!
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