【居抜き物件って何?】奈良で開業するなら知っておきたい豆知識
開業コストを抑えるなら「居抜き物件」はアリ?ナシ?
居抜き物件とは、店舗用の賃貸物件において、内外装や店舗設備の全部または一部をそのまま残してある物件のことをいいます。
店舗の開業を検討している方にはすでにおなじみのキーワードになっている「居抜き物件」ですが、上手く活用して開業コストを抑えられた人も居れば、失敗してしまった人も居ます。
新規で店舗運営を行う上で、「居抜き物件」を選ぶメリットとデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:木寅 昌紀
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
宅地建物取引士の資格保有。奈良市の賃貸業界屈指のオールラウンドプレーヤー。奈良市の新築から既築の物件まで情報を網羅。特に新築物件は人気があるので、皆様にいち早く情報をお届け!豊富な知識で紹介も多く年間成約数は弊社ランキングTOPの実績。「奈良生まれ、奈良育ち」の木寅が「ピタッ」とくる奈良市の賃貸情報を配信。奈良の賃貸物件の事はお任せあれ!
そもそも「居抜き物件」とは?
主に飲食店を経営していた物件に対して使われるもので、造作(ぞうさく:カウンターや仕切りなどの内装工事が必要なもの)や厨房、空調や水回りなどの設備が残っている状態の物件を指します。
中には、厨房だけがそのまま残っているが、それ以外は解体されている「一部居抜き物件」もあります。
本来、賃貸物件は貸す場合も返す場合も、引き渡す際に原状回復といって空っぽの状態(これを「スケルトン」と呼びます)で引き渡すのが通例です。
これは、借主が施工した内外装は取り外し、設置したインテリアなども破棄した状態で引き渡すことで、次の借主が自由に使うことが出来るためです。
しかし、スケルトンの状態から新たに内外装の工事をしたり、逆にスケルトンに戻す工事をしたりすると、それぞれに時間や費用などのコストがかかってきます。
そのコストを抑えるため、次に入る業種が同じであったりそのまま使えるものが多い場合、そのまま残しておくことで次も活用できる居抜き物件が注目されるのです。
「居抜き物件」のメリットとは?
居抜き物件のメリットは、初期投資のコストを抑えられること。
居抜き物件にもさまざまなものがあり、飲食店がそのまま残されている場合もあれば、厨房だけが残っている場合などもあります。
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例えば、焼き肉店などの場合、各テーブルにロースターが備え付けられていたりするのが一般的ですが、そういった設備がそのまま残っている場合も多くあります。
また、備え付けの設備に限らず、テーブルやイスといった家具類や、食器類がそのまま残されていることもあり、次の借主が使うかどうかを決められるケースもあるようです。
特に、初期の設備投資が高額になりがちな焼き肉店であれば、一般的に内装工事費が坪単価で30~50万円ほどかかると言われているため、その工事費用が抑えられるとなれば開業のハードルがグッと下がります。
それに、引き払う際の解体工事費用が抑えられる点も見逃せません。
テナントに合わせて作られた内装は別のところで使いまわすことも出来ず、工事費用や廃棄処理費用などのコストも決して安くはありません。
例えば、繁盛店が大きなテナントへ移転する場合など、そのままにして引き渡せるのであれば大幅なコストカットが見込めます。
また、借りる側だけではなく、貸す側であるテナントのオーナーにとってもメリットがあります。
それは、解体工事や内装工事などの期間が短くなることで、次の借主への引き渡しがスムーズになることです。
テナントのオーナーにとって、借り手が居ないことが最も困るポイントですが、居抜き物件は借りやすいというメリットがあるため、誰にも借りられていない空白期間が短縮できるのです。
「居抜き物件」にデメリットはあるの?
居抜き物件を利用する場合、デメリットもあります。
まず、店内のレイアウトが自由にできないこと。
床や壁に固定された内装はそのまま利用することになるため、場合によっては業種に合わないレイアウトになってしまうことも考えられます。
同じ業種であっても、客のターゲット層によっては不釣り合いになることも考えられるため、レイアウトが変えられない場合には注意が必要です。
次に、それまでの店舗のイメージをそのまま引き継いでしまうことです。
居抜き物件となった経緯も様々ですが、経営不振などで廃業されていた場合、一般客からすればマイナスイメージが付きまといます。
コロコロと看板が入れ替わるテナントを見て『あの場所は何をやってもダメだね』という会話をしたことがある人も居るのではないでしょうか?
そういったイメージを払拭することは難しく、一度マイナスイメージがついてしまっているテナントとなると、プラスイメージに切り替わるまでに多くの困難が待ち受けることになるかもしれません。
「居抜き物件」を上手く使うコツとは?
居抜き物件を使う場合、デメリットであるレイアウトの問題をどう考えるかになります。
経年の痛みを修繕することは必要になりますが、どの程度の内装工事が必要になるのかは思い描くイメージとの差で決まってきます。
少しの妥協で済む問題なのか、大幅な内装工事を行ってでもイメージ通りのレイアウトにするのか、それは借主次第となります。
これはコストの面でも、店舗のイメージの面でも、居抜き物件に必ず発生する問題であるため、テナントの立地なども含めてしっかりと検討する必要があるでしょう。
また、妥協のし過ぎも客のイメージが悪くなる場合があります。
あまりに業種がかけ離れている居抜き物件の場合、既存の内装をそのまま使うと違和感が残ります。
鉄板焼き屋や焼き肉屋などの居抜き物件を使って、喫茶店やバーを開業するのは無理な事ではないかもしれませんが、おそらくは内装をきちんと業種のイメージに合わせた方が客のイメージとの違和感が無くなるでしょう。
ただし、妥協して選ぶのではなく、異業種の設備を上手く活用できるアイデアがあればその限りではありません。
それが話題性になる場合もあるので、あえて異業種の居抜き物件を選ぶことは『映え』に繋がるかもしれません。
「居抜き物件」を選ぶ際の注意点は?
多くの居抜き物件の場合、造作はそのまま引き渡しされますが、テーブルやイスなどの動かせるものは引き渡されない場合があります。
下見に行った際に置いてあったのに、実際に借りることを決めたら無くなっていたというトラブルもあるようです。
逆に、不要なものがそのまま残される場合、撤去するとなると費用が掛かる場合もあります。
撤去するのか、そのまま残すのか、あえて使ってみる方向で検討するのかは、あなた次第となります。
事前に引き渡しの際に何がそのままになるのか、細かく確認を行っておきましょう。
また、居抜き物件の中には造作譲渡費用が発生するものもあります。
物件選びの際には注意して確認しておきましょう。「居抜き物件」で開業するなら都市部がオススメ!
デメリットで述べた元の店舗のイメージですが、実は郊外ほどイメージが残りやすく、都市部ほど以前の店のイメージは残らない傾向があります。
それは、そのテナントの周囲で生活する人の入れ替わりが頻繁に起こるからです。
元の店舗のイメージに縛られないことでデメリットが薄れるのであれば、同業種でも開業のリスクはうんと下がります。
また、都市部の方がそもそもの店舗の入れ替わりが激しいため、通行人も「新しい店が開くんだな」という印象が強くなります。
居抜き物件という言葉も認知度が高くなっていることで、開業時に居抜き物件を選ぶリスクは以前と比べて格段に少なくなっています。
それに、都市部なら店舗の絶対数が多いことで、自分が開業したい業種と同じ業種の居抜き物件が見つかりやすいというメリットもあります。
上手くコストとリスクを抑えて開業を目指すのであれば、都市部を検討するのが良いでしょう。
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