【造作譲渡ってなに?】仕組みと居抜き物件選びの基本を詳しく解説!
「新規開店・閉店」造作譲渡って何?居抜き物件選びのポイントは?

お店の開業にあたり貸店舗を探していると「造作譲渡」という言葉を目にすることがあります。
これは一体どのようなものなのでしょうか。
新規開店する人・閉店する人双方にとって重要な造作譲渡について、居抜き物件の選び方などもあわせて詳しく解説していきます。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
造作譲渡とは?発生する3つのケース

造作譲渡(ぞうさくじょうと)というのは、店舗・オフィスなどの賃貸物件において、前の借主が使用していた内装・設備を、次の借主に譲り渡す仕組みを指します。
譲り渡すと言っても無償というわけではなく、造作譲渡の際に発生するお金を「造作譲渡料」と言います。
例えば、飲食店であれば厨房機器やカウンター・エアコン・照明などをそのまま、新しい借主が造作譲渡料を支払って買い取る形になります。
つまり、以前の内装や設備を残したまま貸し出される「居抜き物件」に関わる内容ということですね。
造作譲渡が発生するのは、主に以下の3つの状況の場合です。
①現テナントが閉店にあたって譲渡を希望した場合
②物件の貸主が造作付きで募集をかけた場合
③物件の借主同士が直接譲渡をする場合
いずれにしても造作譲渡の契約は基本的に、前の店舗の借主と、新しい借主の間で交わされることになります。
いっぽう物件の賃貸契約は貸主と新しい借主との間で交わされるものですから、これら2つの契約は別物として、それぞれきちんと行わなくてはなりません。
また、借主同士で直接譲渡を行う場合でも、造作譲渡には貸主の承諾を得る必要があります。
勝手に話を進めると契約違反として、譲渡が無効になったり賃貸契約を断られたりする可能性がありますから、決していい加減にしてはいけないところです。
なかには貸主が造作譲渡を認めていないケースや、造作譲渡するならば賃料や契約条件が変わってくるケースもあるため、貸主の意向は必ず確認し、承諾は必ず書面でもらうようにしましょう。
造作譲渡料は交渉によって決まる

造作譲渡の際に発生する造作譲渡料は、譲り手と買い手の間の交渉で決まるもの。
数万円で収まる場合もあれば数百万円にのぼる場合もあり「これが相場だ」と言うのは難しいです。
一応の目安としては、以下の通り
・飲食店:50万円~300万円程度
・美容室・エステ:30万円~150万円程度
・事務所系:0円~50万円程度
傾向としては、飲食店・美容室・エステなどといった設備投資にコストがかかる業種は高額になりがちです。
造作譲渡料に影響する要素は主に「設備の状態・新しさ」「店舗の立地」「賃料の高さ」「以前の店舗の営業実績」「募集の急ぎ具合」といったものがあります。
基本的に、設備の状態がきれいだったり店舗の立地がよかったりすると、造作譲渡料は高額になりがちです。
以前の店舗の退去が迫り急いで募集がかかっている場合は、造作譲渡料は安くなる傾向にあります。
また、周辺に同じような条件の物件が複数出ていれば、買い手としては価格交渉がしやすいでしょう。
逆に、物件の選択肢が限られてくる場合は、譲り手側にとって有利な状況となります。
造作譲渡料を決めるうえでは「減価償却」(げんかしょうきゃく)という考え方も重要です。
一般的な考え方として、設備や内装は、購入・設置したその瞬間から価値が目減りしていきます。
この目減りが減価償却です。
例えば、100万円で導入した厨房機器も、5年後には帳簿上の価値は20万円以下にまで下がるケースもあります。
こうした帳簿上の残存価値(簿価)に加えて「現在の見た目・使用感」「故障があるかどうか」「使いまわしができるか」という実用的な部分も価値として、大事な判断材料となります。
造作譲渡料の交渉においては、譲り手と買い手双方の合意が鍵。
おたがいが望む金額に対して頑なになりすぎると交渉は進みませんから、うまく妥協点を探っていくことも必要です。
なおかつ、口約束で「言った・言わない」のトラブルにならないよう、譲渡料の金額や支払い方法・譲渡内容・引き渡し時期など明文化して契約書を作りましょう。
造作譲渡のメリット・デメリットは?

造作譲渡は、新たに開店する側と閉店する側、双方にとってどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。
新規開店する側のメリット・デメリット
まずは新規開店する側のメリットから。
開店にあたって造作譲渡を受ける一番のメリットは、初期費用を大幅に抑えられることです。
内装や設備を一から整える必要がないため、内装工事費や設備投資を節約できます。
また、店舗としての体裁が出来ている状態での引き渡しとなるので、工事なしで(もしく最小限の工事で)早期開業できるメリットもあります。
開店する側のデメリットとしては、まず、不必要な設備まで引き継がなければならない可能性があることが挙げられます。
そうなると、要らないものの撤去費用がかかり、結局初期費用がかさんでしまいかねません。
ほか、譲渡される設備が古かったりすると、故障のリスクがあります。
引き継ぐ設備の状態は、事前に確認しておきたいところです。
ちなみに、造作譲渡がセットの物件を借りるとき、不要な設備の引き継ぎを拒否することは可能なのでしょうか。
結論から言えば「当事者同士の合意があれば造作譲渡を断ることは可能」です。
不要な設備がある場合は、貸主もしくは以前の借主に撤去してもらえるか相談を持ちかけてみましょう。
もし撤去費用がかかることになれば、どちらが負担するのかもあらかじめ話し合っておくと、トラブルなくスムーズに事が運びます。
ただし、造作譲渡する前提で募集がかかっている居抜き物件は少なくなく、断るのが難しい場合もありますので、注意しましょう。
閉店する側のメリット・デメリット
閉店する側のメリットとしては、退去時の原状回復にかかるコストを削減できる点がまず挙げられます。
通常、賃貸物件を退去する際は原状回復義務があり、入居前の状態に戻さなければなりません。
ですが、造作譲渡が成立すれば、内装や設備を次の借主に引き継げるため、撤去する費用や労力がかからないのです。
また、造作譲渡料としていくらかの費用を回収できるメリットもあります。
どれほど回収できるかは、残していく設備や内装の価値がどのくらいと認められるかによりますが、退去費用の足しにできるかもしれません。
閉店する側のデメリットは、買い手が見つからない可能性があることです。
タイミングや条件が合わず、造作譲渡そのものが成立しない場合もあります。
そうなると、内装や設備の撤去が必要で、当然ながら費用もかかります。
造作譲渡を希望するのであれば、なるべく早く不動産会社に相談をしましょう。
居抜き物件を選ぶ4つのポイント

造作譲渡が発生する居抜き物件を選ぶ際は、以下の4つのポイントをチェックするようにしましょう。
①造作譲渡料の妥当性
譲渡料が設備の状態・使用年数に対して妥当かどうかの判断です。
減価償却の価値をもとに判断し、あまりに高い場合には交渉を試みましょう。
②設備の状態・状況
故障している設備やリース品・貸主の所有物が、譲渡対象のなかに含まれていないか確認しましょう。
リース品や貸主の所有物は、所有権が第三者にあるため、勝手に借主同士でやり取りしてしまうとトラブルになります。
③立地と賃料のバランス
設備の状態はよくても、立地が良くなかったり賃料が高すぎたりすれば、お店は立ち行かなくなってしまいます。
造作譲渡料を含めた初期費用だけではなく「毎月どのくらいの集客(収入)が見込めて、どのくらいのお金が出ていくか」のバランスも意識しましょう。
④営業許可の引き継ぎ
前の借主から引き継げる営業許可について、確認しておきましょう。
飲食店や美容室などは、たとえ以前の設備をそのまま引き継いだとしても、新たに営業許可を取り直さなくてはなりません。
消防や保健所などの基準も、以前と変わっている可能性がありますから、事前に行政に問い合わせておくのが確実です。
まとめ~居抜き物件の恩恵を最大限受けるために~

いかがでしたでしょうか。
今回は居抜き物件の造作譲渡について見ていきました。
居抜き物件は費用面や開店までのスピードにおいて大きなメリットがあります。
ですが、造作譲渡について貸主の意向や設備の状態・状況など、もろもろの確認をおろそかにしてしまうと、思わぬトラブルになりかねません。
居抜き物件の恩恵を最大限受けるために、チェックを怠らず確実に進めていきましょう。
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