【商圏調査とは?開業前にやってみよう】メリット・デメリットを知ろう
商圏調査は個人でできる。方法とメリット・デメリット
これから自分の店を出したいと思った時、どこに店を出すかを決める方法のひとつに、商圏調査があります。
出したいと思う店のイメージやコンセプトと、候補地の特性が合うかどうかはとても大事です。
一人暮らしの男性が多いエリアに、ママ友ランチが合いそうなカフェをオープンしても、住民のニーズと合わないということになりかねないですよね。
有料で商圏調査を行っているマーケティング会社がいくつかありますが、商圏調査は簡単なものなら自分で行うことも可能です。
今回は自分でできる商圏調査の方法について解説します。
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:木原 一憲
得意エリア:奈良市
奈良での不動産キャリア23年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。
商圏調査とは
「商圏調査」という言葉は、漢字で何となく意味はわかりそうですが、普段あまり聞きなれないので、まずはどういう意味なのかをおさえておきましょう。
まず「商圏」とは、自分の店の顧客となり得るターゲット層が生活している地理的な範囲をいいます。
そして「商圏調査」とは、さまざまなデータを用いて商圏の特性を割り出し、これから出店しようとする店舗のコンセプトやターゲット層とマッチするかどうかを分析調査することをいいます。
>商圏調査は、出店しようと思っている地域がどんな地域なのかを調べることや、出店してやっていくことが可能かどうかを判断する材料となります。
ほかにも売り上げがどれぐらいになるかを予測することや、経営戦略を立てる上で重要な資料となります。
最近は証券調査を代行する有料サービスが複数あります。
自分が出店したいと思っている店舗の候補地がどんなエリアなのかを詳細に知りたいということであれば、有料サービスを検討してもいいでしょう。
でも、地域の特性を実際に目で見て、体感しておくことは大事です。
自分の目で見て、歩いて得たデータは今後、オーナーとしてのあなたを助けてくれることでしょう。
簡単にでも、自分で調査しておくことをおすすめします。
商圏調査を行うメリット・デメリット
商圏調査を行うことで得られるメリットとしてまず挙げられることは、広報戦略や販売戦略が立てやすくなることでしょう。
・広告を出すにはいつ・どの方法が効果的か?(一人暮らしの若い人が多い地域だと、新聞のチラシよりはDMポスティングの方が効果が高いかも・・・など考えることができます)
・新商品の開発のヒントを探す
・キャンペーンの方法
などが考えられます。
デメリットとしてあえて挙げるならば、手間やコストがかかることや、商圏は時とともに変化するため、定期的に行う必要があるということです。
手間やコストがかかるのは、調査をする上である程度はわかっていることでしょう。
それよりも知っておきたいのは「商圏は時とともに変化する」ということです。
商圏は街の変化に応じて変わります。近隣に大型施設や競合店ができることもあります。また、マンションや新興住宅地ができることで住民の年齢層が変わることもあるでしょう。
そういった変化があった時や、年単位などでも定期的に調査をすることで街の変化に合わせて戦略を変えていくことができます。
・・・こう書きましたが、事実上手間とコスト以外デメリットはないようなものかもしれませんね。
商圏調査の方法
では、商圏調査をどうやればいいのか、という話になります。
商圏調査代行の有料サービスを使うのも方法ですが、自分で調べることも可能です。
目星をつけた店舗候補がどんなエリアにあるのか、自分の目で見て雰囲気を感じながら調査してみましょう。
ここでは、自分でできるおおまかな商圏調査の流れについて解説します。
用意するもの
・出店エリアの住宅地図のコピー
・赤ペン
まずは、出店候補地を円の中心に置き、商圏となる範囲を赤ペンで囲ってみます。
これを「円商圏」と言いますが、円の半径をどれぐらいにするかは、これからどんなお店を出店しようとしているのかによって変わってきます。
円商圏の範囲
・第一次商圏…徒歩10分15分程度の距離になります。
ほぼ毎日来店する可能性のある範囲を指します。
例)コンビニ、定食屋、ラーメン店など。
・第二次商圏…自転車で10分から15分程度の距離を指します。
週1~2回来店する可能性がある範囲と言えるでしょう。
例)居酒屋、クリーニング屋さんなど。
・第三次商圏…車で30分程度の距離を指します。
1ヵ月から3ヶ月に数回程度来店する可能性がある範囲。
例)専門性の高い小売店やちょっと高めのレストランなど。
円商圏が描けたら、円の中に入っている町名をピックアップしていきましょう。
それらの町名を自治体や市町村のホームページなどで公開されているデータを参考に人口を求めることができます。
次に、商圏としてピックアップできたエリアのデータを揃えます。
揃えたい内容
住民の性別人口や年齢別人口。
世帯数と伸び率、世帯の人員とどのような層が多いか(例えば、一人暮らしが多い、ファミリー層が多いなど)、昼、夜間人口比率など。
世帯年収や職業構成、自動車の所有率、住居のタイプ(戸建てが多いアパートが多いなど、共働きの比率、世帯構成、所得水準など。
その商圏で近々インフラの整備予定があるか、マンションビルの建設予定があるなど街の様子が変わるほどの変化が今後行われる予定があるかどうか。
そのエリアは住民しか歩かないわけではありませんよね。
住民以外の利用者も必ずいるはずです。
そういったデータを調べるには、最寄り駅の乗り降り、客数、住宅以外の建造物があるかどうか。
例えば、大学や工場、オフィスビル等があれば、住民以外の利用が期待できそうです。
これらのデータはジェイスタートアップ総務省統計局のサイトや国土交通省の駅まで乗り降り、客数データなどで調べることができます
現地を見に行こう!
統計調査の結果、候補地の商圏はいかがだったでしょうか?手ごたえがありそうならば、今度は現地で生の情報を探しにいきましょう。
まずは交通量について。
出店候補地の前を人や自転車がどの時間帯にどれぐらい取るか、速さはどうか、ぶらぶら歩いている人か多いのかそれとも目的を持って歩いている人が多いのか、渋滞状況はどうなのか。
ほかにも看板が出せる場所があるか、前面道路の端、エントランス(店舗、駐車場)、の1駐車場の入りやすさをぜひチェックしておきましょう。
特に奈良県は車の移動でお買い物や食事に出られる方はとても多いです。
ほかにもターゲット層がかぶる店が近くにあるかどうか、 いわゆるライバル店ですね。
また、地図上ではわからないお客様の来店を妨げてしまう要素がないかを調べておきましょう。
これを商圏バリアといいます。
坂道や線路がないか、これがあるかないかで行くのが面倒に感じるお客さんも少なからずいます。
この結果、足が遠のき、来店頻度が競ってしまう可能性もあります。
商圏バリアとなり得るもの
自然人口の造形物…山、谷、川、橋、坂道、学校や工場などの大型施設
道路状況…車線の多い道路、渋滞の多い道路、道路から車で入りづらい立地、中央分離帯
ただし、商圏バリアについては、周りに競合店がいない場合、さほど影響しないと言うこともあり得ます
商圏調査は1日だけではなく、曜日を変えたり、時間帯天気の条件などを変えたりして何度か繰り返し調査すると良いでしょう。
競合店を調べる
競合店がどんな店なのかとても気になるところです。
ぜひ現地で競合店のことを調べてみましょう。
競合店の立地、店舗の面積、営業時間、給料、休業日、商品のラインナップ、サービスや品揃えなど、価格帯、看板、商品、特徴とするサービス、客層、周辺環境、駐車場の規模など。
また、競合店については、現地だけでなくSNSを調べてみましょう。
集客目的の広告展開や口コミ、またSNSをどれだけ利用して戦略を立てているかなども調べておくと良いでしょう。
【商圏調査とは?開業前にやってみよう】まとめ
以上、自分でできる商圏調査について解説させていただきました。
これらを業者に依頼するのもいいですが、その場合もぜひ、候補地の商圏を自分で歩いて調べてみましょう。
データだけではわからない気づきがあるかもしれません。
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