【個人事業主に「屋号」は必要?】登録方法やメリットを開設
【独立開業】個人事業主の「屋号」を登録するには? 名づけるメリットは?
個人事業主として開業するにあたって、個人名ではなく独自につけた「屋号」を名乗ることができます。
一体どのようにすれば登録でき、どんなメリットがあるのでしょうか。
屋号の変更方法および、屋号をつける際のポイントも合わせて詳しく解説していきます。
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:木原 一憲
得意エリア:奈良市
奈良での不動産キャリア23年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。
屋号は開業届に書いて提出するだけ!
個人事業主として独立し、フリーランスで仕事を始めたりお店を開いたりしたい。
このとき事業主自身の個人名ではなく、事業所の名前やお店の名前・ブランドの名前など――いわゆる「屋号」を名乗りたい。
その場合には、屋号を登録することになります。
登録の方法はシンプルで、税務署に「開業届」を出す際に屋号を書く欄もあるので、そこに名乗りたい屋号を記載して提出するだけです。
個人事業主は必ず屋号を決めて登録しなければならないというわけではありません。
ですが、屋号を登録しておくことで様々なメリットがあります。次の項目でご説明いたしましょう。
屋号をつけるメリットは?
①屋号つき名義の銀行口座がつくれる
銀行にもよりますが、屋号を登録しておくことで「屋号+個人名」名義の口座を開設することができるようになります。
これを事業用の口座として使うようにすればプライベートと分けてお金の管理ができ、事業での収支が一目でわかります。
事業用のクレジットカードを作ってその引き落とし先にすることも可能です。
また、クライアントからの報酬の振り込み先に屋号つきの口座を指定することで、「きちんとした段取りを踏んで名前を掲げてやっている事業者さんなんだな」と、相手から信用してもらいやすくなります。
②周囲から社会的信用を得やすく 事業内容を分かってもらいやすい
ひとつ前で軽く触れましたが、屋号を掲げて開業している事業主のほうが、クライアントなど周囲からの信頼度・安心度は高くなる傾向にあります。
さらに、「〇〇デザイン」「〇〇ベーカリー」など事業内容の分かりやすい屋号であれば、すぐ相手にどんなことをやっているかが伝わります。
これも相手に信頼・安心を抱いてもらう要素になりますし、ちょっとしたことから仕事の話につながるチャンスも広がるかもしれません。
③名字が変わった時の手間が少なくなる
個人名で事業を行っている場合でも、屋号の登録の便利な使いみちがあります。
例えば結婚などで名字が変わる際、事業の看板となる名前まで変えてしまうと周知が大変で、仕事の機会を逃してしまう恐れがあります。
そこで、旧姓の本名を屋号として登録すれば、名字が変わっても今までと同じ名前で事業を続けることができます。
ただし注意点もあります。
報酬の振り込み先として指定している銀行口座は旧姓名義のまま使うことも可能なのですが、大口のお金の入出金があった場合に必要な本人確認手続きがややこしくなる場合があります。
また、確定申告時の還付金の振込先は、新姓名義の口座である必要があります。
そのため、銀行口座は新姓のものを用意しておいたほうがよいでしょう。
屋号をつける際の3つのポイント
個人事業の屋号をつける際に注意すべきこと、気に留めておくとよいポイントをご紹介します。
①屋号に使ってはいけない言葉がある
屋号には漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字など好きな文字を用いてよいことになっていますが、禁止されている言葉もあります。
例えば「〇〇会社」「〇〇法人」「〇〇inc.」など、会社と誤認させるような名称は法律で規制されており、つけることができません。
「〇〇事務所」「〇〇オフィス」といった言葉は使用可能です。
また、すでに商号登記や商標登録されている名称も、権利侵害となる恐れがあるため使用できません。
個人事業主どうしであれば法的な拘束力がないため屋号の重複は問題となりません。
ですが、他の事業者と名称が被ってしまうとご自身の事業が認知してもらいにくくなったり、思わぬトラブルを招いたりする可能性があります。
なるべく他の屋号と被らないよう、つけようとしている名前の事業者が他に居ないかインターネットで検索しながらの命名をおすすめします。
②将来的な法人化を考えるならばさらに制限が
事業が軌道に乗り法人化する場合、屋号をそのまま商号にすることも可能です。
ですが、商号には記号や文字の使い方に関して、屋号にはなかったルールが存在します。
もし法人化をあらかじめ視野に入れておられるならば、屋号を決めるうちから商号のルールに基づいて名付けておきましょう。
でなければ、法人化の際に名称を変える必要が出てきてしまいます。
商号においては、まず記号は次の7つのみ使用できます。
・アンパサンド(&)
・アポストロフィー(’)
・カンマ(,)
・ハイフン(-)
・ピリオド(.)
・中点(・)
・スペース( )
このうち、スペースはアルファベットを区切る場合にのみ使用可能です。
また、これらの記号を名称の先頭や末尾に使ってはいけません(ピリオドは末尾に使用可能)。
星マーク(☆)やエクスクラメーションマーク(!)、クエスチョンマーク(?)など、上記以外の記号は使用が認められていません。
商号には使用可能な文字や数字の種類にも制限があります。
漢字・ひらがな・カタカナと、A~Zまでのアルファベットは使用可能。
ギリシャ文字やキリル文字などは使えず、ドイツ語のウムラウト(ä、ö、ü)のような言語独自の表記も使えません。
数字はアラビア数字と漢数字が使用可能。
ただし漢数字は「〇」は使えず、ローマ数字は使用不可となっています。
③事業内容がわかりすく読みやすい名称に
仕事を依頼してもらうには事業者のスキルや人柄などはもちろん重要ですが、まずは名前が入り口になることも少なくありません。
ひょんなことから屋号を目にした方にどういった事業をしているのか一目で伝えることができれば、そこから「ニーズに合う相手かもしれない」と仕事につながるケースもありうるわけです。
そのためには、ぱっと見ただけで事業内容がすぐ伝わる屋号をつけるのがおすすめです。
わかりやすさを重視したネーミングの手法はいくつもありますが、例えば単に「レストラン〇〇」という屋号よりも「和風レストラン〇〇」と名づけたほうがより具体的に内容が伝わりやすいでしょう。
また、地域に根差した事業であることをアピールするために土地の名前を屋号に入れるという方法もあります。
より認知度を高めるために、聞いただけで印象に残るようなインパクトのある名前にするという手もあります。
どこにでもありそうな名前では印象に残りづらく、検索サイトやSNSで調べても埋もれてしまうので、他にない名前をつけることも重要です。
しかし、インパクトを重視するあまり馴染みの薄い言葉を使ったり、読みづらい屋号にしてしまうと、かえって印象に残らないリスクがあります。
インパクトも考慮しつつわかりやすさ・読みやすさを大事にした屋号をぜひ考えてみてください。
もちろん正解はひとつではありませんが、シンプルさは大切ですよ。
屋号を変えたくなったらどんな手続きが必要?
では、もし一度決めて登録を済ませた屋号を変更したくなったらどうすればよいのでしょうか?
この場合、税務署に新たに届け出をする必要はとくにありません。
確定申告の際に必要な申告書や決算書を変更後の屋号で提出しさえすれば、それで税務署は変更の事実を把握できますので、それだけでOKです。
なにか理由があり変更した事実をきちんと証拠に残しておきたいという場合は、開業届の「その他参考事項」の欄に屋号変更の旨を記載のうえ提出しなおすという方法もあります。
このように屋号の変更自体は簡単に行えます。
が、屋号つきの銀行口座の名義変更やクライアント等得意先への連絡、飲食店の営業許可の変更届などは忘れないようにしましょう。
また、短いスパンで何度も何度も屋号を変更するような行為は、社会的信用を損ないかねないためおすすめできません。
まとめ~屋号は事業の「顔」だから~
いかがでしたでしょうか。
今回は個人事業主の屋号について見ていきました。
屋号の登録手続きは、屋号を記載した開業届を出すだけなので非常に単純明快です。
法人化を視野に入れないのであれば名称の制限も多くはなく、変更も容易です。
とはいえ、屋号は事業の「顔」となりうるところです。
自由度高く名づけられるからこそ、事業者ご自身の発想力や事業に対する展望、視野の広さが試される場でもあります。
創意工夫して、事業の成功につなげましょう。
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