【テナント契約はどっち?】個人名義と法人名義の違いと選び方
テナント契約は個人名義と法人名義のどっち?違いと選び方を解説

これからテナント契約をしたいと考えている方の中には、個人名義と法人名義のどちらを選択した方が良いのか、法人名義で契約するために個人事業主から法人化した方が良いのか、迷っている方もおられるかもしれません。
要点まとめ
テナント契約はどっち?
早く契約したい・初期費用を抑えたい場合は個人名義、信用力や税務面を重視する場合は法人名義が向いています。
① 個人名義は法人登記を待たずに契約を進めやすい
② 法人名義は信用力が高い場合に審査で有利になることがある
③ 個人名義は初期費用を抑えやすい
④ 法人名義は事業用契約であることを示しやすい
⑤ 法人化は所得600万円超を目安に専門家へ相談して判断する
この記事では、個人名義と法人名義のテナント契約ではどんな違いがあるのか、状況に応じたおすすめなどについて、詳しく解説していきます。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:内田紘一
資 格:宅地建物取引士
宅地建物取引士保有で業界10年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。休日の日は家族・愛犬と車中泊をしながら、各地の有名観光地巡りなどドライブをする事が趣味です。奈良市はもちろん、生駒市・大和郡山市など、エリアを問わず奈良に詳しい賃貸専門家の内田がご紹介します。
テナント契約をする際、個人名義と法人名義ではどのような違いがある?

個人名義と法人名義のテナント契約にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらを選んだ方がいいかはその時の状況などによって異なります。
まずはご自身の状況と照らし合わせて、どちらを選択する方がいいのか検討してみてください。
法人名義
メリット
・法人の信用力が高い場合は契約や審査で有利になる
法人の信用力が高ければ、個人名義で審査を受けるよりもスムーズに進んだり、連帯保証人が不要になったりするケースもあります。
・税務署に物件の用途について要らぬ疑いをかけられにくい
法人名義での契約でも個人名義の契約でも、テナントの賃料は経費計上することが可能です。
しかし、個人名義で物件を借りる場合、本当に物件を仕事のために利用しているのか、税務署に疑われてしまう可能性があります。
法人名義の契約であれば、事業用に物件を契約していることを証明しやすくなります。
デメリット
・法人登記が完了するまではテナント契約ができない
法人登記申請自体は一日でできますが、準備にかかる期間も含めると、株式会社の場合は約3週間、合同会社の場合は約2週間、手続き完了までに時間がかかります。
この手続きが完了するまでは、法人名義でテナント契約をすることができません。
法人登記が完了していないものの、すでに気に入っている物件があり、どうしてもその物件を契約したい場合は、個人名義で契約することも考えられます。
法人登記の際は、一旦自宅住所を会社の住所(本店所在地)として登録することも可能ですが、その後契約したテナントの住所に登記変更する場合、管轄内移転の場合は3万円、管轄外移転の場合は6万円の登録免許税がかかってしまいます。
これを避けるためにも、一旦個人名義で契約することはおすすめの方法です。
その場合、後日トラブルになることを避けるために、法人設立後に法人名義に変更する予定であることを不動産会社に伝えることを忘れないようにしてください。
・法人設立直後の場合等は審査に通りにくい
法人設立直後など安定した売り上げが見込めるかがわからないケースでは、賃貸オーナーが「賃料が回収できないのではないか」と不安を抱きやすく、審査に落ちてしまう場合があります。
保証会社を利用したり、敷金を多めに支払ったり(通常の敷金に、賃料2~4ヶ月程度を追加)することで審査に通る場合もありますが、もし審査に落ちてしまっても、その理由は基本的に教えてもらうことはできません。
個人名義と法人名義、どちらの方が審査に通る可能性が高そうか、不動産会社にそれとなく確認してみて、判断材料の一つにすることもおすすめです。
個人名義
メリット
・手続きを早く開始できる
押さえたい物件があるときに素早くテナント契約に進むことができ、法人登記の完了を待つ必要がありません。
・初期費用が抑えられる
法人登記をする場合、株式会社では20万円程度、合同会社では10万円程度の費用がかかります。
それ以外にもテナント契約の際の敷金・礼金や仲介費用、保証費用などを支払う必要があるため、特に初期は出費が多くなります。
初めての出店等で事業の継続性に不安がある方などは、まずは個人名義で契約することで初期の出費を減らすことができます。
デメリット
・税務署に疑いを持たれる可能性がある
例えば、事務所として物件を借りている人が、法人を設立しているのにもかかわらず個人名義で契約している場合「本当はここで仕事をしていないのではないか?」と税務署に疑われてしまう可能性があります。
可能であれば、法人設立後に法人名義の契約に切り替えることをおすすめしますが、法人名義に変更する際は個人名義での契約を一旦終了し、再度審査を受けることになります。
法人名義で新たに契約できることとなった場合は、再度敷金・礼金や仲介手数料の支払いが必要となる場合もあります。
全ての契約で法人名義への移行を了承してもらえるわけではないので、個人名義で契約する際は法人が設立できたら法人名義に変更する予定があることを伝え、問題ないかを確認しておきましょう。
もし法人設立後も個人名義での契約を続ける場合は、その物件を仕事用に使っていることを税務署に説明できるよう、実態を証明するものを用意しておくと良いでしょう。
例えば、事業用の郵便は事務所に届くようにしたり、作業スペースが仕事用に整えられていることを日付入りの写真で記録しておいたりすることが、証明に利用できます。
法人名義でテナント契約したい場合、法人化の目安はある?

ここまでご説明してきた通り、ある程度安定した売り上げを持っていたり、安定した売り上げが見込めたりする場合、法人名義でのテナント契約がおすすめです。
しかし「法人名義でテナント契約したい」という理由のみですぐに法人化することはおすすめできません。
法人化によって得られるメリットもありますが、果たさなければならない義務等も増えるため、総合的に考えて法人化する方が良いかどうかを決める必要があります。
「年間の所得が600万円を超えている」ことは、目安の一つです。
法人化することには「社会的信用が上がる」「決算期を自分で設定できる」「赤字を10年間繰り越せる」等のメリットがありますが、何よりもまず「法人化によって生じる負担を無理なくこなせるか」を確認する必要があります。
個人事業主の場合、所得が増えるほど税率が上がります。
所得が600万円を超えるのであれば、法人化した方が税負担を軽くできる可能性が高いでしょう。
法人化すると「赤字の場合も最低年間7万円の法人住民税を納める必要がある」「従業員も社会保障への加入が必須になる」など、個人事業主には義務付けられていなかった出費も生じるようになるため、これらを支払ってもなおメリットの方が上回ると考えられる場合に、法人化すると良いでしょう。
あくまで「600万円」という数字は目安の一つであり、法人化するメリットの方が大きいかどうかはケースバイケースなので、法人化に踏み切る前に税理士等の専門家に相談することをおすすめします。
【テナント契約はどっち?】まとめ

この記事では、テナント契約をする際、個人名義と法人名義ではどんな違いがあるのか、状況に応じたおすすめなどについて、解説しました。
特に初めての契約ではわかりにくい部分や不安なことも多いかと思いますが、一つずつクリアにしていくことでトラブルを回避することができるでしょう。
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