【前テナントの退去理由は聞ける?】確認するメリットと聞き方
「前のテナントの退去理由」が知りたいけど聞いてもいいの?上手に聞く方法も解説

新しくお店を持つ、または事務所を構えるために物件を探し、ようやく条件に合う物件を発見!でも、契約を決める前に聞けるなら聞きたい。
「前に入ってたお店、なんで辞めたんだろう?」確かに気になります。
でも聞いていいのかどうか?悩むところでもありますよね。
この疑問について、まずは結論から書きます。
一般のお部屋物件で「前の借主が退去した理由」を聞くのは勇気がいるし、聞く人も多くはないと思います。
でも、テナント物件を借りる場合はむしろ今後の事業展開を考える上でむしろ聞いておくほうがいいでしょう。
要点まとめ
前テナントの退去理由は聞ける?
前テナントの退去理由は、事業展開のヒントやリスク回避につながるため、契約前に確認しておくと安心です。
①退去理由は事業展開のヒントとして活用できる
②騒音・設備・人通りなどのリスク回避につながる
③短期退去や同業種が続かない場合は交渉材料になる可能性がある
④退去理由だけに頼らず、周辺環境や建物管理も確認する
⑤個人情報に配慮し、事業計画の参考として丁寧に聞くことが大切
秘密保持や個人情報保護の観点で、すべて教えてもらえるとは限りません。
ですが、聞き方を工夫することで、ある程度の退去理由は聞き出せる可能性はあります。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:木原 一憲
得意エリア:奈良市
奈良での不動産キャリア25年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。
退去理由を知るメリット

実は、前のテナントの退去理由には、その物件の「表に出にくい問題点」を表していることがあります。
たとえば
・人通りが想定より少なかった
・騒音・振動でクレームが多かった
・排水・臭いなど設備トラブル
・家賃と売上のバランスが合わなかった
もしこのようなことを知ることができたら、内容がネガティブでもポジティブに変えることができるかもしれません。
退去理由を聞いておくことには、3つのメリットがあります。
①事業展開のヒントになる
②事業展開においてリスク回避のヒントも得られる
③賃貸契約において交渉の材料にできる
次の項目からは「上記のメリットを活用する具体的な方法」について解説します。
事業展開のヒントにして活かす

例えば退去理由が「人通りが少なかった」としましょう。
ならばこの物件では「人通りが少ないほうがいい」事業または「人通りの多い少ないが関係のない」事業であればその理由は弱点にはなりません。
同じ“弱点”でも業種によっては強みに変わります。
人通りが少ないなら、来店するのに人目が気になるような業種で事業展開することを検討できます。
例えば心療内科のクリニックや美容整形外科などはむしろ、人目につきにくい立地のほうが客足が期待できるとも考えられます。
また、予約制・紹介制ビジネスであれば、物件の周辺の人通りの多い少ないを考える必要がなくなります。
近年の傾向としては、SNSで事業コンセプトや世界観を構築し顧客を確保、開店日を告知して集客をする戦略をとる方が増えています。
リスク回避のヒントとして活かす

上記の理由を例に考えていきましょう。
次に「騒音・振動でクレームが多かった」について。
これらのクレームを避けられる事業を検討することでリスク回避できます。
大きな音を出さなくてもいい事業や来店客が静かに過ごすことを目的とする事業(例:リラクゼーション、整体、コワーキングスペースなど)ならば検討可能ではないでしょうか。
「排水・臭いなど設備トラブル」は飲食店を経営するなら致命的な弱点となりますが、物販または事務所として利用するならリカバリー可能な範囲として対応できるかもしれません(もちろん、程度によりますが)。
前のテナントが失敗したからといって、自分も失敗するとは限りません。
家賃の交渉材料にできる可能性も

前のテナントの借主が短期間で退去していたり、同じ業種が続かない等の理由であれば、テナントの貸主も物件を持て余している可能性があります。
無理な内容でなければ、家賃や敷金などの値下げ等の交渉ができる可能性も出てくるかもしれません。
聞き取りした「退去理由」にだけ頼るのは危険

不動産会社に、前のテナントの退去理由を聞き出せたとしても、実際は退去理由がすべてではありません。
また、前のテナントも理由のすべてを話していない可能性もあります。
もし、物件にマイナスとなるポイントがあったとしたら、それは自分で確認しなければなりません。
では何をチェックすればいいでしょうか。
【チェック項目例】
・周辺に競合がいるか、またその強さ
・時間帯別の人通り(昼と夜の違い)人通りの年齢、男女比など。
・ゴミ出し・搬入動線
・近隣住民・クレームリスク
・建物の管理状態、特に共用部の清潔感などはチェックすべし
表面に表れた「退去理由」だけでなく、上記の退去理由に現れないチェックも同時にしておきましょう。
不動産会社にどこまで聞けるのか

不動産会社に退去理由を聞いてみても、守秘義務・個人情報の関係で話せる範囲にとどまり、正直に全部話してもらえることはそう多くありません。
それでも、個人情報等に触れない程度にでも情報がもらえたら、そこからヒントを得ることができるでしょう。
また、もらえる情報量は聞き方ひとつで変わることもあります。
直接的な理由をストレートに聞くとNGになりがちですが「傾向としてどうか」と聞いてみると教えてもらえることも。
この場合聞けるのはあくまで「傾向」なので該当物件の話とは限りませんが、ヒントとしての情報を得ることは可能かもしれません。
失礼にならない聴き方

では具体的にどう聞くと、失礼にならずに、上手に情報を引き出せるかについてですが、まずは誠心誠意、丁寧に尋ねてみるのがいいでしょう。
「今後の事業計画の参考にしたいので、もし差し支えなければですが、前のテナントさんの退去理由を教えていただけますか?」
傾向を聞いてみる場合は「後学のためにお伺いしたいのですが、一般的に、テナントさんの退去理由にはどういった傾向がありますか?」
と質問したうえで、当該物件の特徴の場合はどうかを聞いてみるのも方法です。
あくまで「興味津々さ」を出さず、さりげなく質問を投げかけるのもポイントです。
【前テナントの退去理由は聞ける?】まとめ

テナント物件を選ぶうえで、前のテナントの退去理由は「弱点」ではなく「ヒント」として活用できる情報です。
事業の方向性によっては弱点が強みに変わることもあり、リスク回避や条件交渉にもつながる可能性があります。
一方で、得られる情報には限りがあるため、自身での確認や多角的な視点も欠かせません。
情報を上手に引き出し、冷静に見極めることが、納得のいく物件選びへの第一歩といえるでしょう。
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