【多店舗展開を成功させる為には?】タイミングやチェックポイントを解説
多店舗展開のメリット・デメリットと成功のポイント
飲食店などを経営していて業績が好調になると、さらなる展開を目指して2店目、3店目をオープンして多店舗の経営を検討する人もいるかと思います。
たしかに多店舗を経営すればそのぶん利益も増えますし、多くのお客様に喜ばれるようになるかと思います。
しかし、1店舗目と同じように必ずしも成功するとは限りませんし、たとえ成功したとしても従業員の育成や複数店舗のマネジメントなど、これまでになかった負担を感じることになります。
また、多店舗展開を軌道に乗せるための戦略も考えなくてはいけませんが、では、どのような点に気をつけなければいけないのでしょうか。
今回は、飲食店などの多店舗展開のメリットやデメリット、成功するためのポイントなどについてまとめてみました。
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で10年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
多店舗展開を行うメリットとは
2店舗目、3店舗目を経営するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは多店舗展開を行うメリットについてご紹介します。
売上を伸ばせる可能性がある
当たり前のことですが、1店舗よりも2店舗、2店舗よりも3店舗のほうが売上を伸ばせる可能性が高くなります。
もちろん、必ずしも伸びるとは限りませんが、1店舗目で成功し、ある程度のノウハウを蓄えているのなら売上をアップさせることはそれほど難しいことではないでしょう。
ただし、1店舗目とは立地や規模などが異なりますから、きちんと戦略を練る必要があります。
仕入れの単価を抑えられる
多数の店舗を経営することで、仕入れのコストを抑えられる可能性があります。
なぜなら、仕入れは少量よりは大量のほうが単価は下がり、コストを抑えることができるからです。
もちろん、お店で扱っているものにもよりますが、多くの場合、仕入れを多くすることで原価が下がり、利益率が向上するはずですので複数店舗の経営を考えている人は一度計算してみてください。
お店の認知度が上がる
多店舗を展開するとき、同じ店舗名やブランド名で出店すればそのぶん多くの人にお店の名前を知ってもらえるので、おのずと認知度が上がります。
また、認知度が上がるだけでなくそれは信頼となり、ブランドとしてのイメージを上げることにもつながるでしょう。
従業員に活躍の場を与えられる
多店舗を展開するということは、新しくできる店舗をまとめるマネジメントスタッフが必要になります。
それは当然、1店舗目で活躍した従業員を抜擢したほうがいいわけですから、たとえば、店舗を増やすたびに一般スタッフ→リーダー→店長→エリアマネージャーといったキャリアパスを用意することが可能になります。
そのようなキャリアパスがあると従業員のモチベーションが上がり、業績アップやサービスの質の向上を期待できるでしょう。
業績をデータ化して分析できる
複数店舗の売上や客単価、年齢層などを比較分析することで、1店舗だけの業績では見えていなかった問題点が見つかる可能性があります。
そのような問題点が見つかれば早急に対策し、業務改善につなげることができます。
多店舗展開を行うデメリットとは
多店舗を展開することはメリットばかりではありません。
もちろん、デメリットもあるのでしっかりチェックしておきましょう。
ここでは多店舗を展開するデメリットについてご紹介します。
経費が増える
当たり前のことですが、複数の店舗を経営すればそのぶん家賃や光熱費、人件費などがかかります。
順調に売上が伸びればいいですが、必ずしも成功するとは限らないので売上不振の場合は経営を圧迫することになるかもしれません。
経営管理が複雑になる
店舗を経営すると接客だけでなく、売上集計や金銭管理、仕入れ発注、勤怠管理などの事務作業を行わなければいけません。
店舗が一つのときはオーナー自ら処理することもできますが、多店舗を展開するとなるとそういうわけにもいかなくなってきます。
ケアレスミスを起こす可能性もありますから、店舗を展開すると同時にしっかりと経営管理ができる体制をつくる必要があります。
人材が足りなくなる可能性がある
店舗が増えれば増えるほど、当然ですが新しいスタッフを採用しなければいけません。
しかし、求人をしたからといって必ずしも条件の合う優秀な人材が集まるわけではないですから、接客が疎かになってしまう可能性もあります。
そうなると多店舗を展開する意味がなくなってしまいます。
特にマネジメントを任せられる人材が見つからないと経営すら危うくなってくるので、店舗を展開するなら人材の確保や育成にも力を入れましょう。
新しくお店を出すならどのタイミングがいい?
新しくお店を出そうと思ったときに頭を悩ませるのが、出店のタイミングです。
タイミングを誤ると思ったように利益を上げられなくなってしまうので、出店の時期は慎重に見極めたいものです。
ここでは、新しくお店を出すタイミングについてご紹介します。
1店舗目が繁盛している
当然ですが、2店舗目、3店舗目を出店しているのは1店舗目が繁盛していることが条件になります。
ただ単に繁盛しているだけでなく、飲食店ならランチタイムに行列ができたり、SNSで盛り上がったりしているようなときがベストです。
十分に利益が出るようになった
いくら話題のお店になっても、内情は赤字続きで火の車のような状態では、とてもじゃないですが多店舗展開なんてできません。
多店舗展開は、1店舗目の経営がうまく軌道に乗った段階で考えるようにしましょう。
マネジメントができる従業員が育った
先ほども書いたように、複数の店舗を経営するには各店舗にマネジメントができる従業員を配置しなければいけません。
まずは安心してお店を任せられる従業員の育成に力を入れましょう。
金融機関から融資が受けられるようになった
新しくお店を開くときの費用は、もちろんオーナーがすべて用意できるのが理想です。
しかし、多くの場合、金融機関から融資を受けるのが一般的です。
追加でお店を出す場合は1店舗目の経営状態が大きな判断材料になるので、多店舗展開の展望などを金融機関の担当者に相談してみましょう。
お店の経営に慣れてきた
はじめて自分のお店を持った人の中には、何でもかんでも自分でしなければ気が済まないという人がいます。
しかし、それでは複数の店舗を経営するのは難しいでしょう。
2店舗以上の経営をするなら信頼できる人材と出会い、ある程度は他の人に仕事を任せられる経営者としての手腕が必要です。
多店舗展開を成功させるためにチェックすべきポイント
新しい店舗をオープンさせるタイミングはおわかりいただけたと思いますが、ここでは多店舗展開を成功に導くためにチェックしておきたいことについてご紹介します。
1店舗目が成功した理由を分析する
はじめにすべきことは現状の把握です。
どうして現在のお店は成功したのか、何が魅力的だったのか、立地はどうだったのか、狙った客層に来てもらえたかなどを冷静に分析してみましょう。
そうすることで新店舗に必要なものが見えてくるはずです。
1店舗目と新規店舗の立地を確認する
当然ですが、1店舗目と新店舗との距離があまりにも近いとお客さんの取り合いになって結果的に売上がうまく伸びません。
そのため、新しい店をオープンするときは立地にこだわるようにしましょう。
多店舗展開するなら業務の仕組みづくりと教育体制の確立を
新しい店舗の開業が決まったら、業務の仕組みづくりと教育体制の確立が大切なポイントになります。
先ほども書きましたが、自分自身がいなくてもマネジメントを任せられる人材を育成し、さらには誰でも簡単にできる業務の仕組みがあることが理想です。
業務をマニュアル化したり、POSレジを導入したりするなど、できるだけ効率化を図るようにしましょう。
せっかく多店舗の展開をはじめるのですから、今回ご紹介したような成功するための基本を押さえておくことが大切です。
【多店舗展開を成功させる為には?】まとめ
今回は、飲食店などのお店を多店舗展開させるときに知っておきたい大切なことやポイントについてまとめました。
多店舗展開は、とにかく2店舗目をオープンさせればいいというわけではありません。
きちんと収益を生み、お客さんにも満足してもらえるサービスを提供するためには、事前に準備することがたくさんあります。
多店舗展開を考えている人は、ぜひ今回の記事を参考しながら計画を進めてください。
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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で10年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。