【店舗や事務所の引き渡し時に注意するべき点】初めての人にも分かりやすく解説
店舗や事務所の引き渡し時に注意するべき点
賃貸物件は住宅だけではなく、店舗や事務所も存在しています。
店舗や事務所の引き渡しを行う場合には、工事後になることもあるのです。
そこで店舗や事務所の引き渡しを行う際に、注意しなければいけない点「契約内容や引き渡し状態」などをいくつか見ていきましょう。
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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:内田紘一
資 格:宅地建物取引士
宅地建物取引士保有で業界10年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。休日の日は家族・愛犬と車中泊をしながら、各地の有名観光地巡りなどドライブをする事が趣味です。奈良市はもちろん、生駒市・大和郡山市など、エリアを問わず奈良に詳しい賃貸専門家の内田がご紹介します。
契約書の内容はしっかりとチェックする
店舗や事務所を借りる場合、住宅と同じように契約書を交わします。
しかし、契約書というのは細かい字でびっしりと記載されている上に、専門用語も多くてわかりにくくなっているのが一般的です。
そのため、きちんと読まないで契約をしてしまい、後になってこんなはずではなかったと後悔することもあります。
このような事態にならないためには、契約書の内容はきちんとチェックすることが大切です。
特に「借りる店舗や事務所の詳細内容」「家賃などの費用」「引き渡し日」「退去するときの規則」が重要になります。
借りる店舗や事務所の詳細内容
通常店舗や事務所を借りる場合、建物の詳細な情報を見てから契約するか決めると思います。
しかし、事前にチェックしただけでは、十分な情報を得ることはできません。
そこで不動産屋に赴き、より詳細な情報を教えてもらうのが一般的です。
もちろん内見も行う必要があるので、まずは借りたい候補となる店舗を見て確認する必要があります。
内見を行うときに重要なのは、店舗や事務所に最初から配備されている設備の状態、周辺の環境になります。
見ただけでは忘れてしまうこともあるので、必ずメモ用紙やカメラなど、記録できる物を持参するようにしましょう。
居抜き店舗の場合には、メジャーを持って行って寸法を記録しておく必要もあります。
ポイントをしっかりとチェックしたら、後は契約するか断るかを決めるのですが、無理をして今すぐに決める必要はありません。
しかし、人気の物件はすぐに契約されてしまうことも多いので、早めに決めてしまった方がよい場合もあります。
家賃などの費用
店舗や事務所を借りる場合も、やはりお金に関するトラブルが発生しやすい傾向にあります。
家賃は多くの人が確認するでしょうが、店舗や事務所を借りる場合には、他にもいろいろと費用が発生します。
まずは初期費用がいくら掛かるのかを確認しましょう。
通常必要になる初期費用としては、前家賃、敷金、礼金、共営費、仲介手数料、保険料ですが、使用する機材の購入費用も必要になります。
ちなみに敷金は保証金と記載されていることもありますが、どちらも同じです。
また、保証金は住宅とは異なり、相場は1ヶ月分や2ヶ月分ではありません。
5ヶ月分から10ヶ月分ぐらいに設定されているのが相場です。
そのため、店舗や事務所を契約するためには、賃貸住宅よりも費用がかなり高くなることを知っておく必要があります。
もちろん家賃も住宅より高い場合が多いですし、家賃はいつまでに振り込む必要があるのか、引き落としであればいつごろ引き落とされるのかも確認しておきましょう。
引き渡し日
契約書を確認するときには、引き渡し日もしっかりと確認しておく必要があります。
また、一般的には引き渡し日と契約の効力が発生する日は同一日なのですが、店舗や事務所を借りる場合には、同一ではない場合もあるのです。
そのため、引き渡し日はいつということを明確にしておかなければいけません。
ちなみに引き渡し日と使用開始日は同一となっているので、物件によっては引き渡し日から営業を開始することもできます。
退去するときの規則
店舗や事務所であっても、借りている物件である以上は契約書に退去するときの規則も記載されています。
退去するときに問題になりやすいのが、原状回復費用の支払いでしょう。
故意に汚したり壊したりしたものなのか、それとも経年劣化なのかによって費用を支払うかが決まるので、この点も契約書をきちんと確認する必要があります。
一般的な賃貸住宅の場合、清掃費用は借りている側が負担すると契約書に書かれていることが多いですが、それ以外は大家さんや管理会社が負担することが多いでしょう。
それに対して店舗や事務所の場合には、原状回復費用は借りている側が負担することが多いのです。
その理由としては、業種によって原状回復を行う工事の内容が異なってしまうので、あらかじめ管理費や敷金などで徴収するのが難しいからだと言えるでしょう。
契約書にもきちんとこの旨が記載されており、説明を受けていればよいのですが、契約書にも書かれておらず、不動産屋から説明も受けてない場合には、こちら側から聞いてみるべきです。
店舗や事務所の引き渡し状態
店舗や事務所には、引き渡し状態が複数存在しています。
大きく分けると「スケルトン」「事務所仕上げ」「居抜き」の3種類があります。
どのような特徴があるのか、どういったメリットやデメリットがあるのかを確認していきましょう。
スケルトン
スケルトンというのは、店舗や事務所の内装が全て取り払われた状態で引き渡されることを言います。
天井や床、壁なども取り払われている状態です。
設備が全く存在していない状態なので、自分がこれから経営する店舗とは全く異なるジャンルの店が以前入っていた場合でも影響を受けることがありません。
しかも間取りや仕上げなどを自分の思い通りに行うことができるので、自由度が高い物件だと言えるでしょう。
飲食店を経営する場合、理容室や美容室を経営する場合、スポーツクラブを経営する場合などには適しています。
しかし、メリットがあればデメリットも存在しているのですが、スケルトンは何もない躯体状態となっているので、内装を施すための工事を依頼しなければいけません。
その結果初期費用が高くなってしまう傾向にあります。
また、引き渡しが行われてもすぐに開業することができず、工事が終わってから開業となるため、引き渡し日イコール開業日ではなくなります。
退去するときにも現状回帰をするために、解体費用が掛かってしまうのが主なデメリットだと言えるでしょう。
事務所仕上げ
事務所仕上げというのは、天井や壁、床などに加えて、トイレや流し、エアコンや照明器具など、必要最低限の物が揃っている状態のことを指します。
そのため、現在揃えられている物に加えて、他に必要な物を持ち込むだけで開業が可能なので、引き渡し後すぐに開業することも可能です。
特に工事を行う必要もないので、初期費用を削減できる点もメリットでしょう。
主に学習塾や会社の事務所、クリーニング店を経営する場合に適した物件だと言えます。
いろいろとメリットがある事務所仕上げですが、すでにエアコンや照明器具などが配置されている状態であるため、自分が思い描いている配置ではない可能性もあります。
その他には特にこれと言ったデメリットがないので、どの状態で引き渡しにするのが迷った場合に選択しやすいでしょう。
名前にもあるように、会社などの事務所として使用する場合には、事務所仕上げは最適な引き渡し状態です。
居抜き
居抜きというのは、前の店舗がそのままの状態で残っている物件のことです。
内装や設備などがそのままの状態で残されているので、自分が経営する業種と一緒であれば、引き渡し後即座に開業することもできます。
もちろん事務所仕上げよりも初期費用が削減できる可能性も高いので、少しでも費用を抑えたいという人には適しているでしょう。
居酒屋のようにシンプルな構造の店舗だけではなく、焼き肉屋のように専門の設備が必要な飲食店でも問題なく経営できます。
しかし、前に入店していた店舗と異なる業種の店を経営する場合には、内装のレイアウトが行いにくい状態であるため、契約する前にどのような店に適した内装になっているのかを確かめる必要があります。
また、レイアウトを変更した場合には、退去するときに元に戻す必要が出てくるので、退去時の費用が高くなることもあるでしょう。
どの引き渡し方法にもメリットとデメリットがあるので、どれが最も自分に適しているのかを検討することが大切です。
引き渡しのときに確認するべきこと
店舗や事務所の引き渡しを行うときに、確認しておくべきことがいくつかあります。
それは「注文通り工事が行われているか」という点と、「設備に不備がないか」という点です。
注文通り工事が行われているか
事務所仕上げや居抜き物件の場合には、そのままの状態で使用することも多いので、工事の依頼をしないことも多いでしょう。
しかし、スケルトンの場合には工事が必要になります。
そのため、工事後に図面通り、発注した通りに工事が行われているか点検をしておかなければいけません。
また、工事を行った箇所に不備がないかもきちんとチェックしておきましょう。
設備に不備がないか
店舗や事務所として使用する物件の場合、設備に不備がないかも事前にチェックしておく必要があります。
設備に不具合があると、営業ができなくなる可能性もあるので、面倒でもチェックは必ず行いましょう。
機械製品の動作確認だけではなく、ドアはスムーズに開閉できるか、床が歪んでいないかなど、細かい箇所も確かめておく必要があります。
【店舗や事務所の引き渡し時に注意するべき点】まとめ
店舗や事務所を借りる場合には、賃貸住宅を借りる場合とは初期費用も異なりますし、契約書の内容も異なっています。
そのため、契約書は最初から最後まできちんと確認し、不明な点があれば理解できるまで質問をしましょう。
また、店舗や事務所にはスケルトンや居抜き物件など、引き渡しを行うときの状態が異なっています。
きちんと意味を理解すると同時に、自分が営業をするのに適した状態の物件を借りましょう。
工事を行う場合や、機械などが配置されている場合には、正しく動作するのか、依頼通り工事が行えているかのチェックも必須です。
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