【オフィスを縮小移転・減床移転をする時の注意点とは?】コスト面や運用面から考える方法を解説

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オフィスを縮小移転・減床移転する際に注意すべきポイントは?


オフィスを縮小移転・減床移転する際に注意すべきポイントは?


会社経営を続けていくにあたって、賃料削減による経営効率の向上などの理由で今より面積の小さいオフィスに移転する場合もあります。


その際、どのような点に注意すべきでしょうか。


オフィスの縮小・減床移転に関する9つのポイントを詳しく解説していきます。



  • 木原 一憲_写真
  • テナント情報に詳しいプロのポイント

    賃貸専門家:木原 一憲

    得意エリア:奈良市

  • 奈良での不動産キャリア23年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。




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    オフィスの縮小移転・減床移転を行う理由・メリットは?


    オフィスの縮小移転・減床移転を行う理由・メリットは?


    オフィスの面積を縮小・減床させる理由はさまざまです。


    まず思いつくであろう理由はコストの削減


    今よりも小さなオフィスに移転することで月々かかる賃料など固定費を下げ、経営効率を向上させる判断です。


    「テレワークを積極的に導入したことで今ほどの面積のオフィスが必要なくなった」といった企業も昨今少なくなく、働き方の変化に合わせたオフィス面積の最適化のために、縮小移転・減床移転を選択するケースもあります。


    ほか、よりよい立地・よりグレードの高いビルに移転するためにオフィスの縮小・減床移転を選択する場合もあります。


    基本的に立地やビルをグレードアップさせると面積あたりの賃料(坪単価)も高くなるので、現在と同等の賃料の場所に入ろうと思うと必然的にオフィス面積が小さくなるということです。


    こう書くと「立地を良くするために仕方なくオフィスを縮小させる」というようなニュアンスに聞こえますが、例えば「従業員の働き方の変化で今ほどオフィス面積が必要なくなったので、職場環境の向上のために、小さいけれど良い場所へ移ろう」といった前向きな選択肢として活用できます。


    また、オフィス面積を小さくしたことによる副次的なメリットとして、従業員どうしの距離が縮まりコミュニケーションが活発化したといった事例もあるようです。






    オフィス縮小・減床移転の注意点→コスト面


    オフィス縮小・減床移転の注意点→コスト面


    では、オフィスの縮小移転・減床移転に関するポイントについて見ていきましょう。


    まずはコスト面の注意点から。


    ①移転にかかるコスト

    コスト削減のためのオフィス移転。


    とはいえ、移転するのにも一時的にとはいえコストがかかります。


    その移転コストはけして小さい額ではないので、慎重に検討しましょう。


    以下、坪単価はそのままで面積20%の縮小移転(100坪→80坪)をした場合の簡易なシミュレーションです。


    【移転前】


    賃料:150万円(坪単価1.5万円×100坪)


    年間賃料:1,800万円(150万円×12ヶ月)


    →3年で5,400万円、5年で9,000万円


    【移転後】


    賃料:120万円(坪単価1.5万円×80坪)


    年間賃料:1,440万円(120万円×12ヶ月)


    →3年で4,320円、5年で7,200万円


    単純に賃料だけみれば、当然ながら移転後のほうがコストは安いです。


    ですが、ここに移転コストも加えて見てみましょう。


    入居工事費用(坪あたり20万円)と不動産仲介手数料(賃料1ヶ月分)を移転諸費用として計算してみます。


    入居工事費用:1,600万円(20万円×80坪)


    仲介手数料:120万円(賃料1ヶ月分)


    ざっくり計算して1,720万円の移転コストがかかるため、移転後に賃料と合わせてかかる総額は【3年で6,040万円】、【5年で8,920万円】になります。


    つまりこのケースでは、3年間で計算すると、オフィス面積を縮小した移転後のほうが結局コスト増となっています。


    5年で計算すれば移転後のほうが若干安くなっていますが、実際には今回計算に使った以外の移転諸費用もあれこれ発生するため、こちらもコスト増となる可能性があります。


    このように、コスト削減のためにオフィスを縮小・減床移転させたつもりが、移転にかかるコストによってかえって逆効果になってしまう場合もあるということです。


    移転を検討する際には、どれくらいの期間で移転諸費用がペイできるのかも綿密にシミュレーションしましょう。


    ②原状回復工事の費用

    賃貸住宅と同じく、オフィス移転にあたっては移転前の物件の原状回復(入居前の状態に戻すこと)が必要です。


    原状回復工事にかかる費用については、


    入居時にどのような状態だったか


    原状回復規定がどのようになっているか(何をどこまで戻す契約になっているか)


    どの施工会社にお願いするか


    などなど条件によって金額が大きく変わりますが、中規模ビルの場合は坪あたり8万円ほどになることが多いようです。


    つまり100坪のオフィスであれば、原状回復工事に800万円程度かかる想定が必要です。


    大きなコストであるため、移転時のコストを試算する際にはこちらも含めて考えることをおすすめします。


    ③敷金・保証金の償却

    入居時に預け入れていた敷金や保証金は、退去時に還付されるものではありますが、償却が発生し全額は返ってこないことがあります。


    保証金の償却については、「1年間ごとに10%償却」と一定期間が経つごとに償却される額が増えていく条件の場合もあれば、「賃料の2ヶ月分償却」とあらかじめ額が決まっている条件の場合もあります。


    移転の際に追加で支払う項目ではないものの、実質的な負担であるため、移転時のコストとして計算に入れることをおすすめします。






    オフィス縮小・減床移転の注意点→運用面


    オフィス縮小・減床移転の注意点→運用面


    次は運用面における注意点を見ていきましょう。


    ①拡張性の確保

    従業員がより効率的に動けるオフィスの広さを検討するのは大切なことですが、オフィスを縮小・減床移転してスペースを切り詰めすぎると、オフィスの拡張性が損なわれてしまいます。


    状況は常に変化するものですから、今後オフィスへの出社が必要な従業員が増える可能性もあるでしょう。


    もしくは、情報漏洩への対策で気密性を高めた個室を設ける必要が出てくるかもしれません。


    そうした場合に、現状ぎりぎりの広さのオフィスでは対応できなくなってしまいます。


    となると、オフィスを再移転させるか、もしくは別の場所に分室を設けなくてはなりません。


    やむなく再移転となると余分にコストがかかりますし、「そもそも移転しなければ良かった」という話になります。


    効率化を考えてオフィスを縮小移転させるのであっても、ある程度の拡張性は持たせられる場所を選ぶようにしましょう。


    ②付帯設備の使い勝手

    今よりも床面積の小さいビルへとオフィスを移転する場合など。


    オフィスの移転によって物件に付帯する設備の規模が小さくなってしまったり、グレードが下がってしまったりすることがあります。


    例えばお手洗いの数が少なくなって時間帯によってはトイレ待ちが発生してしまったり、エレベーターや喫煙室・駐車場の規模が小さくなってしまったり。


    こういった部分が移転前よりも使いづらくなると、業務効率にも支障が出てきます。


    オフィスの移転先は、移転先の付帯設備にも注目して検討しましょう。


    ③感染症への対策

    出社する従業員の数は変わらずオフィス面積が小さくなると、オフィス内の人口密度は上がります。


    感染症拡大防止の観点からみて、縮小移転後も従業員同士の距離が密になりすぎないようスペースの余裕は必要です。


    移転先を検討するにあたっては、感染症対策も考慮して広さを考える必要があります。






    オフィス縮小・減床移転の注意点→その他


    オフィス縮小・減床移転の注意点→その他


    最後に、その他の注意点を3つ見ていきましょう。


    ①築年数による設備・耐震の状態

    築年数がある程度経過している物件は賃料が安い傾向にあり、コスト削減のための縮小・減床移転であれば検討する候補に上がってくるでしょう。


    ですが、築年数が経ったビルは空調や電気・給排水などのビル設備が経年劣化で動作不良をきたしている可能性があり、注意が必要です。


    加えて、耐震性能が古い基準のままで、現在の基準からすると不十分な場合もあります。


    物件の設備や耐震の状態は、ビルのリニューアル情報などで確認しておきましょう。


    ②契約形態

    賃貸物件の契約形態には「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。


    普通借家契約の物件は、借主が希望する限りその物件を借り続けることができるのが基本です。


    いっぽう定期借家契約の物件は、その物件を借りることのできる期間があらかじめ決まっており、契約期間満了になると再契約ができないおそれがあります。


    再契約が可能な場合でも、契約更新には借主と貸主双方の合意が必要で、その際に貸主から賃料の値上げ交渉を受ける可能性があります。


    交渉の結果、合意に至らなければ基本的には退去になります。


    つまり移転先が定期借家契約であった場合、契約期間満了の際に再移転もしくは不本意な条件での契約更新をしなくてはならなくなるかもしれません。


    縮小・減床移転のケースに限ったことではないですが、オフィス移転の際には契約形態についても注意して見ておきましょう。


    ③複数社の同居

    ひとつのオフィス物件に複数の企業が入居し、スペースを分けて利用するケースがあります。


    物件の契約上認められない場合もありますが、親しい企業同士など、賃料を案分して条件の良い物件をオフィスとして利用できるメリットがあります。


    しかし、もともと複数の企業が使う想定でつくられたスペースではありません。


    セキュリティ面など十分に気を配って企業間で取り決めをしておかないと、業務上重大な事故が発生するリスクがあります。


    くれぐれも注意しましょう。






    まとめ~奈良のオフィス探しは「店舗・テナントナビ」で~


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    いかがでしたでしょうか。


    今回は企業オフィスの縮小移転・減床移転に関する注意点を見ていきました。


    オフィスの縮小・減床移転にはメリットもありますが、注意すべき点も多々あります。


    見通しがうまくできていないと、コスト削減のため移転したのに結局コストが増えてしまうという本末転倒な結果を招くおそれもあり、慎重かつ綿密な検討が求められます。


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