【店舗の内装制限とは?】法律・対象・対処法をわかりやすく解説
重要な貸店舗の内装制限

貸店舗を利用して営業をする際に、重要になる点がいくつかあるのですが、その1つが内装制限です。
今回は貸店舗を利用して、安全に営業するためには欠かせない内装制限について見ていきましょう。
色々なルールが設けられているので、事前確認は必須です。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:内田紘一
資 格:宅地建物取引士
宅地建物取引士保有で業界10年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。休日の日は家族・愛犬と車中泊をしながら、各地の有名観光地巡りなどドライブをする事が趣味です。奈良市はもちろん、生駒市・大和郡山市など、エリアを問わず奈良に詳しい賃貸専門家の内田がご紹介します。
内装制限とは何か

内装制限というのは、万が一火災が発生した場合、安全に避難できるように定められているルールです。
建物の規模や使用用途によって内装制限の対象になるか非対象になるのかが決まりますが、大半の建物が内装制限の対象となります。
顧客を安全に避難させるためだけではなく、従業員も安全に避難できなければ意味がないので、必ず守らなければいけません。
内装制限は法律でも定められている

内装制限は守ってくださいというお願いではなく、法律でしっかりと定められています。
そのため、違反をすると罰則が科せられるので注意しましょう。
内装制限に関係している法律は2つあり「建築基準法」と「消防法」です。
建築基準法
建築物の構造や用途、設備などについて決められている法律が建築基準法です。
内装制限に関しても、建築基準法第35条の2などによって定められています。
内装に使用されている素材によっては燃え広がりやすくなるので、避難経路をしっかり確保できるように、様々な決まりがあります。
建築基準法に関しては、インターネットでも調べることができますが、難しいようであれば内装業者や管理会社などに聞いておきましょう。
消防法
内装制限は建築基準法だけではなく、消防法でも定められています。
消防法でも燃えやすい素材の使用を禁止する決まりや、火災を未然に防ぐための決まりがあります。
消防法第8条で定められている建物が対象となるので、事前にチェックしておきましょう。
違反をすると懲役刑、もしくは罰金が科せられます。
内装制限に関しては、所轄の消防署や保健所からもチェックを受けるため、違反しているとすぐに発覚するので注意しましょう。
内装制限の対象となる店舗

自分が借りた店舗が内装制限の対象であるか対象でないか調べたい場合「特殊建築物」に当てはまるかどうかチェックしましょう。
次に「耐火構造」を調べ、さらに「延べ面積」を確認することで、内装制限の対象かどうか調べられます。
ただし、これらの条件に当てはまらない場合でも、内装制限の対象となる場合があるので注意しましょう。
特殊建築物
多くの人が集まる建物や、営業する上で火を使用する必要がある建物などを、特殊建築物と呼びます。
特殊建築物の数は非常に多く、貸店舗を利用して営業する建物の大半が特殊建築物に含まれていると思ってよいでしょう。
具体的にはどのような種類があるのかというと、
・不特定多数の人が集まる映画館や集会場など
・ケガ人や病人が利用する医療機関
・百貨店などの大規模商業施設
・火を利用する飲食店や公衆浴場
・学校や図書館などの公共施設
・自動車工場や車庫など
ざっと見ただけでもこれだけ存在しています。
他にも特殊建築物に含まれる建物があるので、必ず確認が必要です。
耐火構造
貸店舗で営業を行う前には、耐火構造に関してもきちんと知っておく必要があります。
建物には大きく分けて3種類のタイプがあるのですが、それは
・耐火建築物
・準耐火建築物
・その他の建築物
この3つとなっています。
耐火建築物は高い耐火性能が備わっている素材が使用されているのが特徴です。
準耐火建築物は耐火建築物とまではいかないけれど、ある程度耐火性能が高い素材が使用されている建築物を指します。
この両者に含まれている素材以外の物が使用されている建築物は、その他の建築物になります。
延べ面積
特殊建築物に含まれるかどうかは、延べ面積も確認する必要があります。
延べ面積がどの程度あると特殊建築物に含まれるのかは、建物の階層によっても異なります。
例えば3階建て以上の建物の場合、延べ面積が500㎡を超えると対象になります。
2階建ての建物であれば1000㎡、1階建てであれば3000㎡を超えていると対象になるので、事前にきちんとチェックしておきましょう。
内装制限の対象だったらどのように対処すればよいのか

もし自分が借りている店舗が内装制限の対象だった場合、どのように対処すればよいのか知らないと大変なことになります。
しかし、対処法を知っていれば焦ることなく対策ができます。
その対処法とは「安全設備を導入する」「建築基準法で定められた材料を選ぶ」「専門家に相談する」この3点が大切です。
安全設備を導入する
内装制限の対象店舗だった場合は、安全設備の導入が義務付けられることがあります。
安全設備の種類は複数存在しており、主な物としては
・消火栓
・排煙設備
・消火器
・自動火災報知器
などが一般的です。
安全設備の導入が義務付けられる建物としては、人の出入りが多い場合や、煙がこもりやすい構造の建物が当てはまります。
安全設備の導入は、顧客や従業員の命を守る大切な設備です。
建築基準法で定められた材料を選ぶ
内装制限は建物に使用されている素材も関係しています。
そこで内装制限の対象であった場合でも安心して使用できる、建築基準法で定められている材料を用いることが重要です。
建築基準法で定められている素材は複数ありますが、必ず国土交通大臣の認定マークがラベルなどに記載されているので、簡単に見分けることができるでしょう。
専門家に相談する
内装制限の対象である建物かどうかを見分けることや、内装制限の対象であった場合にはどのように対処すればよいのかなどは、一般の人では難しいと感じることがあります。
このようなときは、自分だけで悩まずに、専門家に相談するのがおすすめです。
どのような専門家に相談するのがよいのかというと、内装をお願いする業者や設計士などが当てはまります。
他にも消防署の指導官によって検査が行われるので、所轄の消防署に相談をするのもよいでしょう。
開業する前にチェックしておくべきポイント

貸店舗を借りる前や営業を開始する前に、内装制限についてチェックしておくべきポイントがいくつか存在します。
どのような点を確認しておくべきなのかというと「建物の構造」「貸店舗の使用用途」「契約書の規約」「内装業者や管理会社への相談」これらは開業前に必ずチェックしておきましょう。
建物の構造
借りた建物の構造によって、内装制限の条件が異なる場合があるため、事前に構造を確認することはとても重要です。
例えば木造建築なのか、鉄筋コンクリート造なのかなどです。
他にも建物の面積や階数によっても内装制限の条件が異なるので、必ず確認しておかなければいけません。
貸店舗の使用用途
借りた店舗は何を目的に使用するのか、営業を行う業種は何なのかについての確認も必須です。
内装制限の条件は、使用用途によって大きく異なるので、業種が異なると条件も当然変わってきます。
例えば病院などの医療機関では、居室に難燃材料を使用し、通路などには準不燃材料を使用しなければいけません。
それに対して自動車工場では、居室も通路も準不燃材料を使用することになっています。
契約書の規約
借りた店舗によっては、最初から内装に使用する素材が指定されている場合があります。
中には使用してはいけない素材が定められていることや、工事の際には許可が必要だと定められている場合もあるのです。
このような内容は全て契約書に記載されているので、契約書の内容を説明されたときに、不明な点や不安な点は必ず質問しておきましょう。
内装業者や管理会社への相談
営業を開始する前には、通常内装工事を行います。
このときに注意するべき点がいくつかあるのですが、それは
・内装制限の対象であるかの確認
・火を使用するか否かの確認
・借りた店舗が地下であるか地上であるか
・窓が設置されているかいないか
これらの項目には注意する必要があるため、工事を開始する前に内装業者へ伝えておきましょう。
わからない点がある場合には、事前に管理会社やオーナーに確認しないといけません。
確認を怠ると、工事終了後にやり直しをしなければいけなくなる可能性があります。
【店舗の内装制限とは?】まとめ

今回は貸店舗で営業をする際に重要となる内装制限に関して紹介してきました。
内装制限は建築基準法や消防法などの法律も絡んでくるので、難しい点も多いでしょう。
わからないことがある場合には、専門家に相談を行い、連携を取ることが大切です。
内装制限は顧客や従業員を災害から守る重要な決まりですし、法律でも定められているので、必ず守らなければいけません。
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