【テナントの定期借家契約とは?】メリット・デメリットと注意点
テナントを定期借家契約で借りる場合、気をつけたいことは?メリットデメリットも含めて解説!

テナントを借りる際もお部屋探しの時と同様に、「定期借家契約」か「普通借家契約」かをよく確認しておく必要があります。
契約期間満了になると更新ができる普通借家契約と違い、定期借家契約は契約期間が満了したら必ず退去しなくてはいけないことや、契約期間中に退去できないなど、契約期間において厳格に決められています。
一方で賃料が相場より安いなどのメリットもあります。
今回は、テナントを借りる場合の定期借家契約について、メリットやデメリット、借りる場合の注意点などを解説します。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:木原 一憲
得意エリア:奈良市
奈良での不動産キャリア25年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。
定期借家契約とは

定期借家契約は、テナントを借りる際に結ぶ契約形態のひとつです。
賃貸契約の契約期間があらかじめ定められており、契約期間満了になれば退去しなければなりません。
また、契約期間中の途中解約も原則できないこととなっています。
一般的に賃貸契約として結ばれることが多いのは普通借家契約で、契約期間満了時には借主が更新か退去かを選べます。
契約途中の退去も契約時に定められた時期までに、事前告知があれば可能です。
つまり、退去を伝えない限りは基本的に自動更新で、正当な理由がない限り、家主から退去させることはできません。
契約期間において普通借家契約だと借主が強いですが、定期借家契約の場合は主導権を持っているのが貸主であるというのが大きな特徴ともいえるでしょう。
ちなみに定期借家契約でテナントを募集するのには、以下のような理由があります。
例えば、数年後に建物を取り壊す予定なので、それまでの期間だけ貸したい。
建物が老朽化していて、取り壊し予定が決まっているけれど、それまでを空きテナントにするのはもったいないから、というケースです。
このような場合は、契約満了後の再契約を結ぶ可能性はほぼゼロに等しいと考えていいでしょう。
そのほか
・マナーの悪い入居者がずっと入居している状態を避けたい
・予想外の退去で空きテナントになるのは困る
・テナントが定期的に入れ替わって常に新しいお店が入っていてほしい
などがあります。
借りる側のメリット・デメリットは

定期借家契約は一般的に、貸主のメリットが大きいと言われます。
契約期間の主導権は貸主にあるのでそうかとも言えますが、しかし、借主にも定期借家契約でテナントを借りるメリットがあります。
メリット
①賃料等が相場よりも安い傾向がある
契約期間が決まっており、途中解約できない物件は借主に敬遠される要素のひとつとなってしまいます。
そのため、賃料等が相場より安い傾向があります。
②更新料がかからない
普通借家契約では多くの場合、2年に一度ぐらいのペースで家賃1か月分程度の更新料がかかります。
定期借家契約には基本、更新という概念がありませんので更新料も発生しません。
また、契約期間が長期の場合、例えば6年の契約だと、普通借家契約で一般的な2年に一度更新の物件ならば更新料が2回必要になるところが、定期借家契約6年だとそれらの更新料は不要なので、家賃2か月分お得になる、とも言えます。
③入居審査が緩い可能性がある
賃貸借契約では契約時に家主による入居時審査があります。
特に普通借家契約では家賃の不払いや、他の入居者とトラブルを起こさないか等厳しくチェックされます。
定期借家契約の場合、更新がなく、もともと退去期間も前もって決まっている分、家主のリスクは少なめのため、比較的審査が緩い傾向があります。
デメリット
一方で定期借家契約で借りる場合はこのようなデメリットがあります。
①更新ができない
定期借家契約においては「更新」という概念がありません。
原則、契約終了後は速やかに退去という話になります。
②再契約できる場合は初期費用がかかる
原則、更新ができないのは先述のとおりですが、時に再契約として、継続して借りることが可能な場合もあります。
ただしこの場合は「再契約」となるため、新規で再度契約することになり、初期費用がまるまる必要になります。
一般的な更新料よりもコストがかかる場合も。
③途中解約は原則できない
契約期間が決まっている定期借家契約では、途中解約ができないのもデメリットとなります。
契約途中で店をたたむことになったから解約したい…と思っても、契約期間満了までの家賃がかかります。
考えようによっては、更新できないデメリット以上にキツイかも知れませんね。
ただしこれも契約書をしっかり確認してほしい内容になりますが、特約として「●ヵ月分の賠償金を支払い、途中解約可能」という内容があれば、賠償金はかかるものの、解約が可能です。
定期借家契約は、上記のようなメリットがありますが、事業経営は何が起こるかわからないものでもあるし、実際に開業してみないとわからないこともたくさんあります。
契約の途中で移転や閉店など状況が変わる可能性もゼロではありません。
そう考えると借主にとってはリスクのある契約と言えるでしょう。
テナントを定期借家契約で借りる際の注意点もチェック

とはいえ、定期借家契約のメリットのひとつ、賃料の安さは魅力としては大きいですね。
また、立地や事業に必要な面積、必要な設備がそろっているなどで気に入った物件が定期借家契約だった場合、デメリットを考慮しつつも契約に踏み切りたいと思うこともあるかもしれません。
①再契約ができるかどうか
定期借家契約では原則契約の更新はできませんが、再契約ができるかどうかは物件によります。
たとえば取り壊す予定がある等の理由ではなく、家主がマナーの悪い入居者とのトラブルを避けるために定期借家契約としている場合、契約期間中に特に問題がなければ再契約をしている、というケースもあります。
再契約の協議ができる場合は、契約書に「再契約条項」として記載されることが多いので、契約書をしっかり確認してみましょう。
②途中解約ができるかどうか
定期借家契約は原則として途中解約できませんが、先述のような特約により途中解約可能な契約もあります。
契約年数が長い物件の場合、途中解約ができないことはリスクになるので、途中解約が可能かどうかや、その条件などは必ず確認しておきましょう。
③契約書への記載・期間終了前の通知の確認
定期借家契約は必ず書面にて契約を結ぶことと決まっています。
この書面には「この契約は定期借家契約であること」と、契約期間のほか、更新なしで退去する旨、途中解約についての特約などが記載されます。
この書面なしに契約を進めると、定期借家契約ではなく普通借家契約扱いとなります(借地借家法 第38条)。
まとめ~上手に利用すれば費用を抑えられる~

定期借家契約は契約期間がきっちり定められており、途中解約もできないため、リスクが高いと考えがち。
しかし、事業内容や契約内容によっては、うまく利用することで更新料をカットできたり、安い賃料で借りられたりするため、検討の余地はあると考えられます。
契約内容も特約などでもしもの場合の条件が定められていることもあるので、契約条件などをしっかり確認した上で、定期借家契約で契約するのは「アリ」かもしれません。
物件を探す場合は契約の形や内容をしっかりチェックの上、事業内容と照らし合わせて検討してみるといいでしょう。
困ったことがあれば不動産会社に相談するのも方法です。
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