【飲食店は何坪必要?】売上計画から逆算する広さの決め方
飲食店の売上計画から考える、必要な坪数と店舗の広さ

飲食店の開業でテナントを探していると、必ずぶつかるのが「この広さで足りるのか」という悩み。
広すぎても家賃が不安、狭すぎても営業しづらい……。
必要な坪数を感覚ではなく、きちんと導き出すにはどうすればよいでしょうか。
要点まとめ
飲食店は何坪必要?
飲食店に必要な坪数は一律ではなく、目標売上と客単価・席数・回転率から考えます。
1. 客単価・席数・回転率をもとに、売上計画から広さを考える
2. 広すぎる店舗は家賃・光熱費・人手の負担が増える
3. 狭すぎる店舗は席数や動線に支障が出て、売上を取りこぼすこともある
4. 客席だけでなく厨房・バックヤード・通路などの面積も含める
5. 同じ坪数でも業態によって異なるため、営業スタイルに合わせて選ぶ
以下、詳しく解説していきます。

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テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
必要な広さは「売上の設計図」から見えてくる

テナント探しの場面で「〇坪あれば営業できるだろう」と、感覚で広さを先に決めようとする方は少なくありません。
ですが、この進め方こそが、後々の後悔を招きやすい落とし穴です。
結論を先にお伝えすると、飲食店に必要な面積は「どれくらいの売上をつくりたいか」という計画から逆算して割り出すのが正解です。
その土台になるのが、飲食店の売上を構成する基本の考え方です。
売上は、ざっくり言えば「客単価 × 席数 × 回転率」という掛け算で成り立っています。
裏を返せば、この3つの数字をどう設定するかによって、お店に必要な広さは自然と変わってくるのです。
1人あたりどのくらいの単価を狙うのか、何席を用意するのか、そして1日にその席を何回入れ替えたいのか――。
この3点を描くことが、お店の面積を決める出発点になります。
また、同じ広さの物件でも、業態が違えば最適なかたちはまるで別物です。
たとえば、じっくり飲んで過ごせる単価の高いバー、次々とお客さんが入れ替わる回転重視のラーメン店、ゆったりと長居してもらうカフェ……これらはたとえ同じ20坪だったとしても、理想的なレイアウトはまったく異なってきます。
まず「どういった売上のつくり方をするのか」を固めることが、広さ選びの第一歩なのです。
「広ければ安心」は思い込み――大きすぎ・小さすぎのリスク

開業を控えた段階では「余裕をもって広めにしておきたい」という心理が働きやすいものです。
けれども、お店の広さは大きければよいというものではありません。
店舗の面積が増えれば、それにつれてさまざまな負担も膨らんでいきます。
まず家賃が上がり、光熱費もかさみます。
お店全体を回すのに必要な人手も多くなりますし、掃除しなければならない範囲が広がるぶん清掃の手間が増えます。
さらに見落としやすいのが、見た目の印象への影響です。
席数に対して空間が広すぎると、いつも空席が目立つお店に見えてしまうことがあります。
とりわけ開業して間もない頃にがらんとした雰囲気の店内になっていると、お客さんに与える印象という点で大きくマイナスに働く場合もあるのです。
かといって、狭ければよいわけでもありません。
スペースを絞りすぎると、必要な席数が確保できなかったり、混雑時に待ち時間が増えたり、人やお皿の動線が悪くなったりします。
その結果、席の回転が鈍り、本来得られたはずの売上を取りこぼしてしまうことにもつながります。
広すぎず狭すぎず、営業スタイルに見合った広さを見つけることが肝心なのです。
必要な面積は客席だけじゃない

お店の坪数を考えるうえで注意したいのが、厨房やバックヤードなどといった、客席以外のスペースも忘れず計算に入れるということです。
飲食店には、客席以外にも欠かせない設備がいくつもあります。
冷蔵庫を置く場所・食材を仕込むためのスペース・スタッフがスムーズに動くための通路・トイレ・そしてレジまわり――。
考えてみれば当然ですが、こうした部分にもそれぞれ相応の面積が必要になります。
つまり「10坪の物件であれば、10坪すべてを客席に使える」というわけではないのです。
とりわけ、調理設備をしっかりと構える必要がある業態では、厨房が占める割合が大きくなります。
その結果、想定していたよりも客席数が取れなかった、というケースも起こりがちです。
物件を見るときは、客席とそれ以外の部分とのバランスを頭に入れておくことが欠かせません。
最終的には「どんなお店にしたいか」で判断する

ここまで見てきたように、テナント探しにおいて「〇坪ぐらいのお店にしよう」という数字から入ってしまうと、判断を誤りやすくなります。
お店の広さをどのぐらいにするかは「どのようなお店にするか」を固めた先の結論として導き出すべきなのです。
先に整理しておきたいのは、お店の中身のイメージです。
どんなお客さんに来てほしいのか、1日に何席分を回したいのか、ゆっくり過ごすお店なのか・さっと利用して出ていくお店なのか、少人数で切り盛りするスタイルなのかどうか……などなど。
こうした要素をあらかじめ思い描いておくことが大切です。
営業のかたちをはっきりさせてから改めて坪数を眺めると、物件の見え方が変わってきます。
「広いか狭いか」という漠然とした基準ではなく「自分のお店のやり方に合っているかどうか」という視点で選べるようになるのです。
この判断軸を持てるかどうかが、テナント選びの成否を分けると言ってもよいでしょう。
【飲食店は何坪必要?】まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、飲食店に必要な広さの決め方について見ていきました。
飲食店に必要な坪数は、単体の数字として先に決めるものではなく、お店づくりの計画からおのずと導かれてくるものです。
「客単価×席数×回転率」という売上の設計図を描き、そこに厨房やバックヤードといった裏方の面積も織り込んでいけば、自分の店にちょうどよい広さが見えてきます。
また、同じ坪数でもバーとラーメン店とカフェではまるで違う正解があるように「これが自分のお店に合う」と思える広さはお店のスタイルそれぞれ・人それぞれです。
まずはどんなお店にしたいかをじっくり思い描くこと。
その輪郭がはっきりすればするほど、テナント選びは迷いのないものになっていきます。
理想の一軒を、納得のいくかたちで見つけてくださいね。
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奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。