【テナント選びの注意点は?】クリニック開業で失敗しないポイント解説
テナントでクリニックを開業したい時、物件探しや契約はどんな事に注意すれば?詳しく解説!

クリニックを開業する際、新築の建物を準備すると膨大な初期費用がかかるため、テナントを利用したいと考えている方も多いでしょう。
失敗を避けるためには、どのような点に注意して物件を探したら良いのでしょうか?
この記事では、テナントを利用してクリニックを開業したいと考えている医師が物件選びや契約の際に注意すべき点について、詳しく解説します。

-
テナント情報に詳しいプロのポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
クリニック開業のためにテナントを探すときに注意すべきことは?

テナントを探す際には、以下のような点をチェックして候補を絞っていくと良いでしょう。
テナント料は無理のない金額か?
クリニック開業のためにテナントを利用する場合、収入の6~8%が一般的なテナント料だと言われています。
特に開業直後は、思うように集患できない場合もあります。
背伸びして予算をオーバーするテナント料の物件を契約してしまうとクリニックの継続が危ぶまれる可能性もあるので、予算内で物件を探すようにしましょう。
立地はクリニックの目指す方向に合っているか、集患しやすそうか?
地域密着型のクリニックを目指したいと考えている場合は繁華街の近くではなく住宅街で開業した方が良いなど、目指したいクリニックの方法に合った場所で物件を探す必要があります。
ただし、繁華街の特に駅近の物件であればたまたまその近くを通った人にクリニックを認識してもらいやすいというメリットもあるため、集患のしやすさとのバランスも見ながら物件を選ぶ必要があるでしょう。
院外処方を選ぶ場合には、患者さんの利便性を考慮して調剤薬局が近くにあるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
なお、後述する医療モール内のテナントであれば、調剤薬局が建物の中や近くに備えられている可能性が高いです。
電気容量面について問題はないか?
立地や予算面について好条件の物件であっても医療機器を使う際に問題が生じてしまっては、そもそも思うような診療ができません。
事前にそのテナントの電気容量を確認し、自身のクリニックで必要となる医療機器を使っても契約アンペアをオーバーしないか、確認しておきましょう。
使いたい医療機器は設置できるか、搬入できるか?
サイズの問題で使いたい医療機器が設置できない物件は、候補から外す必要があります。
設置ができてもエレベーターやドアなどのサイズが小さく搬入できない可能性があるので、搬入経路についても採寸をしっかり行っておきましょう。
(ビル内のテナントを候補としている場合)他テナントは集患に影響がなさそうか?
飲食店や学習塾など、人の出入りが多かったり人の声が気になる環境があったりするテナントが同じビル内に入っている場合、落ち着いてクリニックに通いたい患者さんの足が遠のいてしまう可能性があります。
同じ診療科のクリニックがすでに入っている場合も、集患に影響が出る可能性が高いので避けた方が無難です。
クリニック開業用のテナントを契約する際に注意すべきことは?

契約期間はどのように設定されているか?
その物件が「定期借家」となっているかどうかは、特に確認しておくべきポイントです。
一般的な賃貸物件の契約と異なり定期借家契約では基本的に更新ができないため、契約期間が終了したら他の物件に移らなければいけない可能性も低くありません。
賃貸オーナーの意向によっては定期借家以外の形で契約できる場合もあるため、気に入った物件が定期借家だった場合はまずオーナーに相談してみると良いでしょう。
原状回復義務はどのように定められているか?
クリニックを開業する前には内装工事を行ったり新たな設備を入れたりすることとなります。
しかし、解約時には契約前の物件の状態に完全に戻した方がいいのか、原状回復のための費用は借主と貸主のどちらがどのくらい分担するのか等、あいまいなまま契約すると後日トラブルに発展しやすく、危険です。
契約前に賃貸オーナーと詳細を詰めておき、協議した内容を契約書に記載してもらうようにしましょう。
新しく入る他テナントについての特約は契約書に明記してもらえるか?
前の章で解説した通り、飲食店や学習塾、同じ診療科の他クリニックなどが同じビル内に入っていると、集患に影響する可能性があります。
契約段階ではこのような施設が同じビル内には行っていないとしても、契約時にこうしたテナントを入れない旨記載した特約を設定していなければ、契約後にこれらの施設が同じビル内に入る可能性もあります。
賃貸オーナーと交渉し、特約として契約書に入れてもらうようにしましょう。
看板設置についての特約は契約書に明記してもらえるか?
クリニックの宣伝にとって通行人の目に留まりやすい位置に看板を設置することは重要ですが、ビルの美観を損なう等の理由でこれを禁止している賃貸オーナーもいます。
後日トラブルにならないよう、看板については設置可能な場所や大きさを事前に賃貸オーナーと交渉して、その内容を契約書に明記してもらってください。
医療モールでクリニックを開業することのメリット・デメリットとは?

複数のクリニックや調剤薬局が集まっている施設のことを「医療モール」あるいは「クリニックモール」と呼びます。
この章では、医療モールで開業することのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
比較的集患しやすい
医療モールは大型商業施設などの近くに設置されていることが多く、買い物のついでにクリニックに通うことができるなど、日常生活の動線の中で立ち寄ってもらいやすいというメリットがあります。
同モール内の別のクリニックを利用した患者さんに「この診療科のクリニックも入っているのか」と気づいてもらう機会も、クリニック専用ではないビルで開業するよりも多いと言えるでしょう。
他のテナントを気にする必要がない
前の章で、クリニック専用ではないビル内のテナントで開業した場合、他のテナントの雰囲気とクリニックが合わず集客が難しくなってしまうことがある例を紹介しましたが、医療モールで開業する際にはこのような心配する必要は基本的にはありません。
他のクリニックと連携できる
患者さんの症状に合った診療科(他のクリニック)をすぐに紹介でき、患者さんの時間を節約できます。
他のクリニックから患者さんを紹介してもらえる場合もあるという点も、メリットだと言えるでしょう。
デメリット
患者さんを分け合う結果になってしまうことがある
特に診療科が重複している場合には、同モール内の他のクリニックとライバル関係になってしまう可能性があります。
人間関係の問題が生じる場合がある
それぞれに開業していると言っても、同一モール内で仕事をしていると他クリニックの医師たちとかかわりを持たなければならない機会もしばしばあります。
何かのきっかけでモール内の人間関係が悪化してしまうと、いづらくなってしまう可能性も。
工事の業者選びなどについて自由度が低い
「モール内で行う工事については特定の業者と契約するよう定められている」など、制限が設けられている場合もあります。
自身で裁量が持てる範囲は、契約前によく確認しておく必要があるでしょう。
まとめ~クリニック開業用のテナント探しは契約前の確認が重要!~

この記事では、テナントを利用してクリニックを開業したいと考えている場合に物件選びや契約で注意すべき点について、解説しました。
クリニック開業用にテナントを探す際は、テナント料や立地、医療機器の設置について問題ないか等をチェックすると良い
・契約時は「原状回復義務がどのように定められているか」「集患に影響を及ぼしかねないテナントを入れない旨が特約に明記されているか」「看板設置についての特約は明記されているか」等を確認する
・医療モールでの開業には「比較的集患しやすい」「他クリニックと連携できる」などのメリットがある一方「患者さんを分け合う結果になってしまうことがある」「人間関係の問題が生じる場合がある」などのデメリットもあるので注意が必要
テナントを利用してクリニックを開業する際は、条件面・資金面ともに無理せず長くクリニックを続けていけるよう、事前に慎重な検討を行いましょう。
関連記事

【テナントにも原状回復はある?】退去時に知っておくべき注意点を解説≫

【貸店舗にポスターは貼れる?】掲示する際のポイントや注意点など解説≫

【店舗・テナントの賃貸物件選び方】独立開業を始める前に知っておこう!≫

【独立開業!創立費・開業費について解説】見こめる節税効果とは?≫

【独立開業する時に必要な事とは?】成功させる為の6つの手順!≫

【2階以上のテナントを借りるときの注意点とは?】メリット・デメリットも合わせて紹介≫

